女性活躍、社会に不可欠 二本松で国際会議、支援の充実訴え

 

 政府は3日、女性の権利拡大やジェンダー(社会的性差)平等を目指す国際女性会議「WAW!(ワウ!)」を東京都内で開いた。各国の女性リーダーや若者の代表が、女性の視点を反映させた社会実現のための方策を考えた。二本松市のサテライト会場では県主催のパネル討論が行われ、人口減少が進む本県の医療や農業、地域産業を持続するには女性の活躍が不可欠だと訴えた。

 WAWは2014年に初開催され、6回目。「新しい資本主義に向けたジェンダー主流化」をメインテーマに、地方と若者に重点を置いた分科会などが開かれた。サテライト会場は二本松市など全国22カ所で、東京会場の様子がオンラインで配信された。

 二本松会場のテーマは「ふくしまから考える女性活躍社会」。看護、経済、地域振興、教育の各分野から6人が出席した。仁泉会統括看護部長の平野典子さんは、看護師として働く女性が子育てや介護などを理由に離職するケースが多いと説明。子どもを預けるための保育施設の充実などニーズに合ったきめ細かな支援を求めた。

 二本松などサテライト4会場と東京会場を結び「女性と地方」と題した特別セッションでは、国際女性会議有識者会合メンバーの石山純恵さん(福島市、クリフ社長)が本県の現状について「性別役割分担があり、女性が(育児や介護を担うなどの)ケア役に回っている」と指摘。この状況を変えるため女性同士が連帯を強め、女性活躍の新たな手本「ロールモデル」をつくっていこうと呼びかけた。

 開会式には岸田文雄首相が出席し、女性の視点を反映させた政策を推進すると表明した。

 会議では、世界経済フォーラムが毎年発表しているジェンダーギャップ指数ランキングで13年連続1位となったアイスランドのヨハネソン大統領と国連事務次長・国連女性機関事務局長のシマ・サミ・バフース氏が基調講演した。「女性と防災」をテーマにした分科会なども開かれた。