育児中もキャリアアップ諦めない 資生堂、働き方は試行錯誤

化粧品大手の資生堂で女性活躍推進を担当する山本真希さんは9月29日、福島市で講演し、国内の社員の約8割が女性で占める同社の事例を紹介した。
山本さんは女性活躍推進の歩みが3段階あったことを振り返った。1980年代までは出産や育児で多くの社員が退職したが、90年~2010年ごろは育児休業や時短勤務の導入で仕事との両立が可能になった。
一方、時短勤務者が増えたことで、そのフォローが求められるほかの美容職社員は遅番や土、日曜日、祝日出勤が増加。時短勤務者の代替要員でパート・アルバイトを配置したが、社員のような専門性がないため、販売力や顧客サービスが低下する事態に陥った。上司が過剰に配慮し、時短勤務者も「毎日午後5時に帰る権利がある」「土、日曜日休みは当たり前」と思い込んでいたことが課題だった。
ただ、時短勤務は認めていても、働く時間帯や曜日は会社側が決めることができたため、同社は時短勤務の美容職社員1200人全員と面談を実施。家庭環境や周りのサポート体制、キャリア形成の希望などを踏まえ、育児中でもキャリアアップできる新たな働き方を10年代から導入した。
時短勤務者がパートナーの理解を得ながら、可能な範囲で遅番や土、日曜日、祝日勤務を続けている。山本さんは「育児と仕事の両立で大変な思いをした女性が現在は管理職として活躍し、会社にとって重要な戦力になっている」と話した。
「女性リーダー部会」福島経営者協が設立
講演は福島経営者協会の「女性リーダー専門部会」設立総会の席上行われた。福島市などに本社や事業所がある22社の女性管理職らが所属し、本年度は講演会や研修会などに取り組む。
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