首相「最低賃金千円に」

首相官邸で開かれた政労使会議。右端は岸田首相、左端は連合の芳野友子会長=15日午後
政府は15日、労働団体や経済界の代表者らと話し合う「政労使会議」を2023年春闘の集中回答日に合わせて首相官邸で開いた。大手中心の賃上げの流れを、中小や地方に波及させるのが狙い。参加した岸田文雄首相は最低賃金の全国加重平均を22年の時給961円から23年に千円へ引き上げることに意欲を示した。千円達成後の引き上げについても今夏以降議論する意向を明らかにした。
政労使会議の開催は15年4月以来、約8年ぶり。岸田首相のほか、連合の芳野友子会長、経団連の十倉雅和会長らが出席した。最低賃金は毎年国と地方の審議会で見直され、22年の全国平均額は過去最大の上げ幅となる前年比31円増だった。千円とするには、これよりも大きな引き上げが必要になる。岸田首相は「審議会でしっかり議論してほしい」と述べた。
また、物価高に負けない賃上げの実現には、高騰する原材料価格やエネルギー価格、人件費を製品価格に反映させることが必要だとの認識で一致した。岸田首相は「政策を総動員して環境整備に取り組む」と語った。