フィギュアスケートでミラノ・コルティナ冬季五輪の前哨戦となるグランプリ(GP)ファイナルは4日に名古屋市で開幕し、男子は昨年2位の鍵山優真(オリエンタルバイオ・中京大)と3位の佐藤駿(エームサービス・明大)が3連覇を狙うイリア・マリニン(米国)に挑む。4回転ジャンプの難度と本数で劣る日本の2人は、初制覇へ完成度が問われる。
今季のフリーで鍵山と佐藤は2種類、計3度の4回転を組み込む。マリニンは5種類、計6度と別次元の構成で、GPシリーズ第3戦ではフリーの世界歴代最高得点を更新。2シーズン負けなしの世界王者に、日本スケート連盟の小林芳子フィギュア強化副部長は「この数年を見ると、1強と認めざるを得ない」と脱帽する。
対抗策として鍵山が挙げるのが「完成度勝負」。ジャンプ、スピン、ステップの出来栄えによる加点を積み重ね、伸びやかな滑りや表現力で演技点を稼ぐ。父の正和コーチが「ここはマリニンに勝てる」と語る戦略だ。
佐藤も「まずは完璧な演技をしたい」と意欲的だ。
