【北京共同】中国軍は9日、中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射を巡り、中国軍が空母「遼寧」での艦載機の発着艦訓練について自衛隊側に事前通知したとする音声データをインターネットで公開した。「中国側も日本機のレーダーを感知していた」と主張し、自衛隊機が訓練区域に入り中国軍機から50キロに満たない距離にまで接近したとしている。
中国軍は6日に沖縄周辺の太平洋で実施した訓練について、現場付近にいた海上自衛隊の護衛艦に訓練区域などを事前に通知したと強調。自衛隊機が「訓練区域に進入し、自ら中国側のレーダー捜索範囲に入った」とし、中国軍機も自衛隊機のレーダーを感知したと主張した。
音声データは無線のやりとりとみられ、遼寧の艦隊は「われわれの編隊は計画に基づき艦載機の飛行訓練を実施する」と中国語と英語で通知。海自側は英語で「メッセージを受信した」と応答した。
小泉進次郎防衛相は9日の記者会見で「遼寧の艦載機などの訓練海空域に関する航空情報(ノータム)や航行警報が、事前に通報されていたとは認識していない」と述べた。
