「Frog and Toad Are Friends」(ふたりはともだち) ―vol.01

 
作:アーノルド・ローベル 訳:三木卓 音楽:谷川賢作 吹込:ピーター・ヴォン・ガム レイチェル・スミス 宮本 充、吉田直子 ラボ教育センター(ラボ出版)価格:2,970円

 木々の緑が日ごとに色を深めていく季節となりました。今号から連載を始めますラボ・パーティ講師の佐藤暁子です。魅力ある英語絵本をご紹介していきますのでよろしくお願いします。

 記念すべき初回は『Frog and Toad Are Friends(ふたりはともだち)』。仲良しのがまくんとかえるくんのエピソードが5つ。その中には小学校の国語の教科書にも取り上げられている『The letter(おてがみ)』のお話があります。今まで誰からも手紙をもらったことがなく悲しんでいるがまくんを見て、かえるくんは内緒でお手紙を出します。ところが、配達を頼んだ相手はかたつむりくん。

 「Right away.(すぐやるぜ。)」と快く引き受けてくれたもののなかなか届きません。手紙が届くのを諦めているがまくんに、かえるくんは自分が書いて出したと正直に言い、手紙の内容も明かします。

 「Dear Toad, (親愛なるがまくん。) I am glad that you are my best friend. (ぼくはきみがぼくの親友であることを嬉しく思っています。) Your best friend, Frog.(きみの親友、かえる。)」シンプルなのにグッとくるお手紙。がまくんはどんなに嬉しかったことでしょう。

 私の英語教室に通う小学生がこの絵本をもとに手紙を互いに書いてみたところ、相手を思いやる温かい言葉がたくさん綴られていました。近頃ではメールやLINEなど言葉を伝えるツールは増えましたが、たまには手紙を出してみようかなと思わせてくれるお話。付属のCDには、朗読とともに二人の友情を感じる軽快な音楽も収録されていて、ほんわかな気分になります♪

 ラボ・パーティ講師 佐藤暁子 福島市出身、在住。絵本を通して英語力・社会力・コミュニケーション力を育てる「ラボ・パーティ」(本部・東京)の教室「ラボ佐藤パーティ」を2001年開講。趣味は舞台鑑賞。ラボ国際交流ボランティアリーダー。県内にラボ・パーティは17カ所あります。

2021年6月号・Me&Youより