「HARRY the Dirty Dog」(どろんこハリー) ―vol.03

 
作:ジーン・ジオン 訳:渡辺茂男 絵:マーガレット・ブロイ・グレアム 吹込:しゅうさえこ/リサ・ハナバック ラボ教育センター(ラボ出版) 価格:2,530円

 今月は元気いっぱい遊ぶのが大好きな犬のお話『HARRY the Dirty Dog(どろんこハリー)』をお届けします。

 表紙には2匹の犬が描かれていますが、主人公は黒いぶちのある白い犬のハリーです。ハリーはお風呂に入るのが嫌いで、ブラシをくわえて家を飛び出します。道路工事現場で遊んだり、鉄道線路の上ですすだらけになったり、仲間の犬と遊んだりして真っ黒な姿に。

 「...he changed from a white dog with black spots, to a black dog with white spots.」
 (ほんとは くろいぶちのある しろいいぬなのに、しろいぶちのある くろいいぬになってしまいました)
 遊ぶのにも疲れ、お腹がすいて家に帰ったハリーを待ち受けていたのは、真っ黒なハリーをハリーと気づかない家族でした。さあ大変です! 慌てたハリーは
 「He flip‐flopped and he flop‐flipped.」
 (ぴょんと さかだち すっとんと ちゅうがえり)
 「He rolled over and played dead.」
 (ころりところげて しんだまね)
 「He danced and he sang.」
 (ダンスやうたも やりました)
 これらは、ハリーの得意な芸当。最後には嫌いだったお風呂で家族に洗ってもらい、ハリーと気づいてもらえたのでした。
 「It was wonderful to be home.」
 (じぶんのうちって なんて いいんでしょう。ほんとに すてきな きもちです)
と至福の時を感じる最後の場面は、安堵感で満たされます。

 50年以上も前から読み継がれているこの絵本は、外で思いきり遊んで冒険してきても「家」という安全な帰る場所がちゃんとあるということに子どもたちはホッとし、主人公ハリーに共感するのでしょう。
 ハリーが家から出て冒険する場面や、家で芸当をする場面では、ハリーと同じように動いて真似をしてみると、自然と英語が身体に浸透していきます。子どもはごっこ遊びの天才で、そのような遊びを通して外国語である英語も身につけていけるのです。

 ラボ・パーティ講師 佐藤暁子 福島市出身、在住。絵本を通して英語力・社会力・コミュニケーション力を育てる「ラボ・パーティ」(本部・東京)の教室「ラボ佐藤パーティ」を2001年開講。趣味は舞台鑑賞。ラボ国際交流ボランティアリーダー。県内にラボ・パーティは17カ所あります。