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「心のケア」親子に継続を 東日本大震災後、子どもの発達調査

 

 東日本大震災後の子どもの発達と支援をテーマにした調査報告会とシンポジウムが4日、福島市で開かれた。子どものメンタルケアを専門とする専門家らは子どもやその保護者を対象としたそれぞれの研究結果を紹介し、震災と東京電力福島第1原発事故から10年目の今も、影響を受け続けている親子への継続的な支援が必要だと強調した。

 福島大の安部郁子研究室と大正大の内山登紀夫研究室の主催。内山登紀夫教授は2010(平成22)~18年度の南相馬市の3歳半乳幼児健診の問診票記録を分析した結果を報告した。自分の名前が言えない子どもの比率が震災を境に高くなった傾向が見られることなどを紹介し「何らかの震災の影響が続いている」と指摘。「親子ともに継続的に支援していくことが必要だ」と話した。

 福島大子どものメンタルヘルス支援事業推進室の川島慶子研究員は、震災と原発事故に伴う浜通りの保護者の心の問題については、時間の経過とともに「改善傾向にある」と語った。その上で「震災後県内外で転居を繰り返すなどしたために、継続的な支援を受けられずにいる親子の支援方法を考えていく必要がある」と話した。