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乳幼児の昼寝見守り強化 福島市、保育8施設に警報機器導入

 
昼寝中の乳幼児のそばに設置された見守り機器

 福島市は本年度、市内の保育施設で昼寝する乳幼児の見守りを強化するため、異常があった際に警報で知らせる機器の導入を進めている。29日に同市のひらの認定こども園で導入後の様子を報道陣に公開した。

 機器は乳幼児1人につき1台使用し、体動が停止または異常に低下した場合、警報音とともに赤色のランプが点滅する仕組み。電子機器総合企業のグローバル電子(東京)が製造し、全国の保育園や乳児院、病院などで使用されている。

 市は0歳児を受け入れている公立の保育所と認定こども園の8施設に計54台を導入。私立には導入費の4分の3(上限50万円)を補助しており、導入率が本年度中に9%から半数以上の54%に増加する見込み。

 内閣府によると、全国の教育・保育施設などで2015(平成27)~19年に起きた死亡事故は「睡眠中」が37件で7割超を占めた。

 市内でも18年12月に認可外保育施設で昼寝中だった1歳男児が意識不明となり、搬送先の病院で死亡する事故が発生。これを受け、市は認可外を含め保育の質向上に向けた対策を講じている。機器を設置した場合でも0~1歳は5分、2歳は10分の間隔で睡眠中に異常がないか保育士が確認している。市は「機器によって安全性の向上や保育士の心理的な負担の軽減につなげたい」(幼稚園・保育課)としている。