出張してお点前披露
勿来工高茶道愛好会は毎週1回、放課後に学校の一室に集まって、静かにお茶をたてながら日本の伝統文化を学んでいる。
学校祭で野だてに参加した生徒らの活躍の場をつくろうと、昨年5月に発足した。会員は3年生7人と今年の部活動紹介で「3年生の姿にあこがれた」という1年生3人の計10人。
ほかの部活動と掛け持ちしている生徒もいるため、活動は週に1回だが、毎回1〜2時間かけて、礼儀作法やお茶のたて方など、茶席の流れをみっちりと学んでいる。
現在、生徒らが取り組んでいるのは、いすに腰掛けてお茶をたてる「立礼席」。茶会で使う組み立て式の棚は、建築科の生徒が手づくりした。出張してお点前を披露することが多いため、「持ち運びしやすく、大変重宝している」という。
これまでに、「せいざん荘」や「かしま荘」など、いわき市内の特別養護老人ホームのほか、小学校などに数回出張してお点前を披露した。「利用者や小学生が『おいしい』と言って喜んでくれるのがとてもうれしい」と生徒らは口をそろえる。
指導役を務める本田昇子教諭は「生徒らの覚えがよくて驚いている。今後は畳の席での本格的なお点前にも挑戦したい」と話している。
「和」の心を知り茶が好きに
会長の境久美子さん(3年) 普段の生活と全く違う動作が多く、みんな最初は戸惑っていた。しかし、動きを覚えるにつれて楽しくなり、日本人らしい「和」の心を知り、お茶が好きになった。
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