「ちび竜」 自然や生き物が先生に
ボウフラがぴんぴん踊(おど)っている水たまりで、小さな粒(つぶ)からちび竜(りゅう)が生まれました。
ボウフラたちは、小さなちび竜に「あんたはここを飛び出して、どんどん"でか竜"になり、神通力を使い友達をつくる」と伝えます。ちび竜は、訓練して神通力を身につけようと決心し、水たまりから飛び出しました。
タンポポの綿毛(わたげ)につかまり空に舞(ま)い上がったちび竜は、風と友達になります。飛ぶのが下手なちび竜に、トンボが飛び方を教えます。フナはウロコで水を感じるやり方を、モグラは土のことを教えてくれました。
自然や生き物から学び、どんどん成長するちび竜。口から火をはき、雨を降(ふ)らせ、神通力を身につけ"でか竜"になった今...。
歌うようにリズミカルな文章と、黒白を基調(きちょう)に効果的(こうかてき)な色使いの絵が一体となり、神秘的(しんぴてき)な生命の存在(そんざい)を優(やさ)しく、そしてダイナミックに描(えが)いている絵本です。観音開きページのちび竜最後の姿(すがた)が圧巻(あっかん)!
文・工藤直子 絵・あべ弘士
◎福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています