１年生になったけいくんは、お母さんと学校近くのアパートに越（こ）してきました。保育園（ほいくえん）からの友だちはいないし、けいくんはどうやって友だちをつくればいいのか分かりません。

　「けいくんがしっかりしてて、たすかるわ」と言うお母さんに、友だちがいないことや休み時間に一人で池のコイにエサをあげていることを、打ち明けることはできませんでした。

　ある朝、先生は池を工事すると話しました。すると、隣（となり）の席のなこちゃんが「工事が終わったら行けるんだって。よかったね」と言いました。池に行っていたことを誰（だれ）も知らないと思っていたけいくんは、不思議に思いました。

　そんなある日、けいくんは池で緑色のとても小さなかっぱに出会いました。生き物が苦手なお母さんには内緒（ないしょ）で、かっぱを連れ帰り飼（か）いはじめましたが...。

　内気で健気（けなげ）な男の子が、かっぱとの出会いを通して一歩踏（ふ）み出し、友だちをつくっていく楽しく心温まる物語。低学年から。

　※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています