「故郷の味は海をこえて」 「難民」思い出の料理は

 
ポプラ社 1540円

 世界には、さまざまな理由で母国から離(はな)れなければならなくなった「難民(なんみん)」と呼(よ)ばれる人々がいます。2018年の日本では1万493人が「難民申請(しんせい)」をしましたが、認(みと)められたのはわずか42人でした。

 高田馬場でミャンマー料理店を営(いとな)むタンスエさん。お茶の葉サラダは、母国では代表的な家庭料理だといいます。1989年に来日し、8年かかって「難民認定」を受けることができましたが、故郷(こきょう)へは一度も帰っていません。

 この本は、フォトジャーナリストの作者が日本で暮(く)らす外国の人々を訪(たず)ね、故郷の料理を紹介(しょうかい)してもらい、どうやって日本にたどり着いたのか、ここまでの道のりを語ってもらうノンフィクション。写真の料理はどれもおいしそうで、故郷の思い出そのもの。日本で暮らす私(わたし)たちは、知ること、関心を持つことが大切だと作者はいいます。この本には、外国の人にも読んでもらえるように、すべての漢字にルビがふってあります。高学年から。