「十年屋 時の魔法はいかがでしょう?児童版」 大切な物10年間預かる
15歳(さい)の少女リリは、母の手作りの縫(ぬ)いぐるみを大切にしていました。けれどその母が4年前に亡(な)くなり、新しく母親になったナラさんから、「古くなった縫いぐるみを捨(す)てましょう」と言われてしまいます。縫いぐるみの隠(かく)し場所を探(さが)していると、「十年屋」と書かれたカードが現(あらわ)れて...。(「懐(なつ)かしの白うさぎ」)
十年屋は、大切な品物を10年間預(あず)かる魔法(まほう)のお店。店主の若(わか)い紳士(しんし)と、人間の言葉を話す猫(ねこ)のカラシが出迎(でむか)えてくれます。預けるお代(支払(しはら)い)が、"寿命(じゅみょう)1年分"というのが少し怖(こわ)いところです。
リリのほかに4人の客が店を訪(おとず)れる短編(たんぺん)物語。大切なものを預けた主人公たちは、10年後どのような思いで品物を受け取るのでしょうか。
「銭(ぜに)天童」の作者の新しいシリーズ。猫のカラシによる手作りお菓子(かし)のおもてなしも毎回楽しめます。本書は静山社の「十年屋」が版(はん)を変えて出版されたもので、特別編も合わせて6冊(さつ)刊行(かんこう)しています。高学年から。
※福島子どもの本をひろめる会が 推薦する本を紹介しています