「わたしたちのカメムシずかん」 カメムシ博士になろう

 
福音館書店 1430円

 カメムシ。そう、あの臭(くさ)い虫! 岩手県葛巻町(くずまきまち)はカメムシが多く生息しています。その山あいの町にある全校児童29人の小学校が舞台(ぶたい)のお話です。

 この町でも、農作物を食べたり、嫌(いや)な臭(にお)いで困(こま)らせるカメムシはやっかい者です。春から秋にかけては、教室や廊下(ろうか)にもたくさんのカメムシが出没(しゅつぼつ)し、掃除(そうじ)するのも一苦労。そんな時、身近な生き物に興味(きょうみ)をもってほしいという校長先生の発案で、「カメムシ博士(はかせ)になろう」プロジェクトがスタートしました。

 見つけたカメムシの写真を撮(と)り、名前を調べ、記録と標本を廊下に張(は)り出します。発見第1号は「クサギカメムシ」です。よく見ると、それぞれのカメムシに特徴(とくちょう)があるのが分かってきます。毎日記録は増(ふ)え、自分たちの『カメムシずかん』まで作り上げます。

 子どもたちの興味には果てがありません。自分の目で見つけた喜(よろこ)びが、もっと見つけたい、知りたいという思いにつながるのです。挿絵(さしえ)も、とても魅力的(みりょくてき)な絵本です。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています