「かみさまのベビーシッター」 神様のお世話は大忙し

 
理論社 1540円

 「大当たり~! おめでとうございます! 特賞(とくしょう)、かみさまのたまご、当たりました~!」。福引で幸介(こうすけ)が当てたのは、商店街の守り神様が産んだ虹色(にじいろ)の卵(たまご)。大切に育てれば家の守り神になると言われ、家に持ち帰ると、お母さんはどんな願いも叶(かな)えてもらえると大喜(おおよろこ)び。

 すると間もなく、卵が割(わ)れ生まれたのは、ぬいぐるみのような姿(すがた)の神様。幸介は「ボンテン」と名乗るその神様に「乳母(めのと)」(子守をする女の人)と呼(よ)ばれ、お世話をすることになる。

 生まれたばかりのボンテンは神様なのに甘(あま)えん坊(ぼう)で赤ちゃんのよう。食事やトイレ、お風呂(ふろ)のお世話に遊び相手と大忙(おおいそが)しの幸介だが、思い切って願い事をしてみる。ところが、お願いの仕方が違(ちが)うと言って願いを叶えてはくれない。そんなボンテンがある日、全力で願いを叶えてくれることに...。

 『ふしぎ駄菓子屋銭天堂(だがしやぜにてんどう)』の作者による楽しい物語。愛嬌(あいきょう)たっぷりの挿絵(さしえ)からも楽しさが伝わってくる。低学年から。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています