「かじ屋と妖精たち イギリスの昔話」 英国の昔話31編を紹介

 
岩波書店 924円

 昔、スコットランドとアイルランドの間にある島に、腕(うで)の良いかじ屋がいました。ある日、息子が妖精(ようせい)に連れていかれてしまいます。

 息子を取り戻(もど)すため、物知りで知恵(ちえ)のある老人に相談したかじ屋は、次の満月の夜、裏手(うらて)の丘(おか)の扉(とびら)から聖書(せいしょ)と短剣(たんけん)と一羽の雄鶏(おんどり)を持って、妖精のもとへ出かけました。しかし、やっとの思いで連れ帰った息子は、妖精の呪(のろ)いで声を失っていました...。

 この本には、表題のお話のほか、「三びきの子ブタ」や「ジャックと豆の木」のようなおなじみのお話や、妖精や魔物(まもの)、王子様やお姫(ひめ)様が出てくる英国の昔話が、31編も収められています。"ゆかいで短いお話""知恵が役に立つお話""ふしぎなことに出会うお話"などに分けられた昔話は、自分で読んでも誰(だれ)かに読んでもらっても、とても面白くて楽しめるお話ばかりです。さあ、本の中の妖精や巨人(きょじん)、鳥の言葉が分かる王子様に会いに行きましょう! 中学年から。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています