「ギザ耳ラグ あべ弘士のシートン動物記〈2〉」 冒険を重ね子ウサギが成長

 
学研プラス 1540円

 生まれて間もないワタオウサギの子ラグはクロヘビに襲(おそ)われ、耳をギザギザにかみ切られてしまった。この事件(じけん)でラグは「うずくまり」の大切さを知った。母ウサギは、何もせずに動かないでいる「フリーズ」のお手本を何度も見せると、ラグはそのまねをして覚えていった。母さんは、森や野原で生きていくために必要なたくさんの技(わざ)と知恵(ちえ)をラグに教えた。ワタオウサギにとって周りは敵(てき)ばかり。足と技と知恵を使って、自分の命を守らなければならないのだ。自然は時にラグを守り、時に過酷(かこく)な試練も与(あた)えたのだった。

 シートン生誕(せいたん)160年を記念して刊行(かんこう)された、あべ弘士による「シートン動物記」絵本第2弾(だん)。子ウサギが冒険(ぼうけん)を重ね、成長していく物語です。作者は作品の舞台(ぶたい)であるカナダを訪(おとず)れ、美しい自然や動物たちに出合ってきたそうです。もちろんワタオウサギにも。豊(ゆた)かな自然の中を駆(か)け回る動物たちの生き生きとした表情(ひょうじょう)を楽しんでほしい絵本です。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています