「しゅくだいなかなおり」 謝りたいのにすれ違い

 
PHP研究所 1320円

 まことは、転校してきたばかりの小学3年生です。そんな彼(かれ)に、最初に声をかけてきたのがしんごでした。いろいろ話しているうちに、まことは鉄道好きで、しんごは釣(つ)りが好きということも分かってきました。興味(きょうみ)のあることは違(ちが)っても、2人はすぐに仲良くなりました。

 ある日のこと、鉄道に関心のなかったしんごから、鉄道公園に行こうと誘(さそ)われ、まことは大喜(おおよろこ)び。ところが約束の日、時間が過(す)ぎてもしんごは来ません。諦(あきら)めて1人で出掛(でか)けたまことは、心の底から楽しむことができませんでした。次の日、謝(あやま)るどころか平気な顔で釣りに誘うしんごに、まことは腹(はら)を立てます。それ以来、すれ違いが続く2人に、仲直りはできるのでしょうか。

 本当は謝りたいのに、素直(すなお)になれない。子どもだけでなく、大人にもよくあることかもしれません。仲直りのきっかけを逃(のが)さないで! と語りかける物語。2人の気持ちを映(うつ)し出す挿絵(さしえ)も魅力的(みりょくてき)です。低学年から。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています