「コヨーテのはなし アメリカ先住民のむかしばなし」 "最も賢い動物"大活躍

 
徳間書店 1980円

 みなさんは"コヨーテ"という動物を知っていますか? コヨーテは、オオカミと同じイヌ科の哺乳類(ほにゅうるい)で、体はオオカミより小さく、毛は灰褐色(はいかっしょく)、鼻はとがって目は黄色く澄(す)み、陽気な顔立ちはいたずらっ子のようにも見えます。体が小さい分、頭を働かせた賢(かしこ)い狩(か)りをするため、アメリカ先住民やメキシコの人々の間では"最も賢い動物"と言われています。

 この本は、アメリカ先住民に伝わるコヨーテにまつわる昔話から17話を集め、一冊(いっさつ)にまとめたものです。コヨーテが人間に火をもたらす話や、悪い精霊(せいれい)から春、夏、秋を救(すく)い出し、冬の大地に季節を与(あた)えた話など大活躍(だいかつやく)する話のほか、動物をだましたり失敗したりする愉快(ゆかい)な話も収(おさ)められています。また、コヨーテの生態(せいたい)も描(えが)かれ、子どもから大人まで楽しめます。

 絵本「ちいさいおうち」の作者ヴァージニア・リー・バートンが描(か)く色合い豊(ゆた)かな美しい挿絵(さしえ)は生き生きとして躍動感(やくどうかん)にあふれ、作品をより楽しく魅力的(みりょくてき)に輝(かがや)かせています。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています