「あしたのことば」 何げない一言が希望に

 
小峰書店 1760円

 小学6年生の裕(ゆう)は、両親の離婚(りこん)で横浜(よこはま)から父親の故郷(こきょう)、福岡(ふくおか)に引っ越(こ)してきた。転校初日からたくさんの質問(しつもん)を投げかけたクラスのみんなは、友好的に接(せっ)してくれている。自分は十分にツイてる転校生だと思う半面、何事に対しても全く心が躍(おど)らない裕だった。

 そんなある日の放課後、「ケイドロやらんか?」と誘(さそ)われる。「それってドロケイのこと?」。同じ遊びでも地域(ちいき)によって呼(よ)び名が違(ちが)うことにみんなのテンションは上がり、裕は"泥棒(どろぼう)チームの親分"の身分を与(あた)えられた。走って笑って夢中(むちゅう)で遊んだ帰り際(ぎわ)、裕はみんなからある言葉をかけられる...。(表題作「あしたのことば」)

 直木賞(しょう)作家、森絵都が描(えが)く"言葉"をテーマにした八つの短編集(たんぺんしゅう)。9人の人気イラストレーターとのコラボも見応(みごた)えがある。何げない言葉があすへの希望になると感じられる一冊(いっさつ)。光村図書小学校教科書「国語6」掲載(けいさい)の「帰り道」も収録(しゅうろく)。高学年から。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています