「かがくヲたのしむノンフィクション おすしやさんにいらっしゃい!~生きものが食べものになるまで~」 食べる時、魚たちに感謝

 
岩崎書店 1760円

 おすし屋さんのカウンターで、1匹(ぴき)の真っ赤なキンメダイを興味(きょうみ)深げに見つめる子どもたち。ページをめくっていくと、キンメダイやアナゴ、イカが今まさに海から釣(つ)り上げられた瞬間(しゅんかん)をとらえた写真に、思わず目を奪(うば)われます。

 おすし屋さんに届(とど)いた魚は、板前さんのいろいろな手法で手際(てぎわ)よくさばかれ、おすしのネタになっていきます。魚の胃袋(いぶくろ)の中に魚が食べた小魚を見つけたり、魚の舌(した)や歯、鼻の穴(あな)に驚(おどろ)いたり、イカ墨(すみ)で絵を描(か)くなど今まで知らなかったことを知る楽しさがいっぱいです!

 この写真絵本には、すし職人(しょくにん)の岡田さんの「私(わたし)たちは、肉、魚、穀物(こくもつ)、野菜などたくさんの命をいただいいて生きています。食べることで生きものたちは私(わたし)たちの体の一部になるということを忘れずに生きている自分を大切にしてほしい」という思いが込(こ)められています。

 今度おすしを食べる時は、魚たちに感謝(かんしゃ)してからいただきましょう。小さい子はもちろん、家族で楽しめるお薦(すす)めの一冊(いっさつ)です。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています