「くもとり山のイノシシびょういん」 虫や動物、病気の理由は

 
福音館書店 1210円

 くもとり山の杉(すぎ)の木の横に、イノシシ病院がありました。山に住む虫や動物たちは具合が悪くなると、イノシシ先生に診(み)てもらいに来るのです。イノシシ先生は体が大きく、髪(かみ)の毛はもじゃもじゃでこわい顔ですが、実はとても優(やさ)しくて親切なお医者さんでした。

 ある日、たぬきの母さんと子どものポンちゃんがやって来ました。ポンちゃんは夕べから元気がなく、おなかが痛(いた)いのです。先生はポンちゃんの話を聞くうちに、原因(げんいん)がわかりました。昨日の学芸会で、歌詞(かし)に合わせておなかをたたいたときに、勢(いきお)いよくたたきすぎたようなのです...。(ポンちゃんのポンポ)

 この本には、ほかに六つのお話がのっています。イノシシ先生の治療(ちりょう)でみんな元気になりましたが、ヤマセミ君の痛みの原因にはドキっとし、考えさせられました。加古里子(かこさとし)さんが残してくれた、温かな贈(おく)り物のようなお話集です。全ページにさし絵があり、低学年の一人読みにもお薦(すす)めです。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています