「わたしのあのこ あのこのわたし」 お互いを思う気持ち丁寧に

 
PHP研究所 1540円

 「私(わたし)の名前は曽良秋(そらあき)、小学5年生。お父さんからもらった大切なレコードが、モッチの弟のせいで傷(きず)ついてしまった。私から友達になってと手紙を書いたモッチなのに、私の気持ちも傷ついた気がした。何度も謝(あやま)るモッチに、私はつらくあたってしまった。体の中を、どす黒いどろどろしたいやなものがめぐっているような気がした」

 「私の名前は持沢香衣(もちざわかい)、あだ名はモッチ。でも友達から"しっぽ"とも呼(よ)ばれている。いじわるされているのかな。秋ちゃんはそんな失礼なあだ名で呼んではだめといってくれる。レコードのことは、秋ちゃんに何度も謝っているのだけれど...」

 性格(せいかく)も家庭環境(かんきょう)も違(ちが)う子どもたちが、多くの時間を一緒(いっしょ)に過(す)ごす学校。そこで、楽しいことも嫌(いや)なこともいろいろ経験(けいけん)して子どもたちは自分の心を成長させていきます。秋ちゃんとモッチのそれぞれの視点(してん)から、お互(たが)いを思う気持ちを丁寧(ていねい)に描(えが)いた物語です。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています