「青空モーオー!」 牧場で過ごした7日間

 
学研プラス 1430円

 いよいよ夏休みなのに、暗い気持ちで学校から帰ってきた小学4年生の陸(りく)。そこに岩手の牧場で働くいとこから「遊びにおいで」という誘(さそ)いの電話がかかってきた。陸はひとりで1週間の牧場体験に行くことにした。

 牧場主の娘(むすめ)のまりんは、陸と同じ4年生。牛の絵を描(か)くのが上手で、リビングの壁(かべ)には3頭の乳牛(にゅうぎゅう)モモ、キナコ、サクラの絵が貼(は)られていた。牧場の朝は早く、5時から仕事が始まる。陸がまりんと牛に干し草をあげていると、モモがキナコにいじめられているのに気づく。他の牛がそれを無視(むし)するなか、サクラがモモをかばう光景を目にした陸は心がざわざわした。終業日の同級生の秀(しゅう)の姿(すがた)を思い出したからだった...。

 牛の世界にもいじめがあり、勇気があり、命の危険(きけん)もあり...。和牛農家の作者が描く牛の様子が生き生きとしている。牛の世話を通して牛から力をもらい、自分と向き合っていく少年の爽(さわ)やかな成長物語。中学年から。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています