「町にきたヘラジカ」 アメリカの実話がもと
アメリカ北部の小さい町ビロラで暮(く)らす、仲良しの男の子イパールとワイノ。ある冬の日、2人はイパールの父さんの馬屋で一頭の大きなヘラジカを見つけます。今年は寒さが厳(きび)しく、森に食べ物がなくなり、お腹(なか)を空かせて馬屋のま草(ぐさ)にありついていたのでした。
おどろいた2人は、馬屋から追い出そうとしますが、悲しげに「ボォーン!」と鳴いて草を食べ続け、そのまま眠(ねむ)ってしまいます。やせこけたヘラジカをかわいそうに思い始めますが、このまま大量のま草を食べ続けられたら、ばく大なお金がかかってしまうのです。困(こま)り果てた2人とイパールの父さんは...。
アメリカの町で起きた実話をもとにした物語。ヘラジカになつかれてしまうイパールとワイノの困惑(こんわく)する様子が、温かくユーモアたっぷりに描(えが)かれています。イパールの父さんのフィンランドなまりの言葉が東北の言葉に似(に)ていて、くすっと笑えます。挿絵(さしえ)もほのぼのとして愛らしい一冊(いっさつ)。中学生から。
※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています