「トラといっしょに」 トラの背に乗って冒険

 
徳間書店 2200円

 ある日、美術館(びじゅつかん)でジャングルのトラの絵を見たトムは、うちへ帰ると色鉛筆(いろえんぴつ)で大きな大きなトラの絵を描(か)きました。その夜のことです。トムの絵からトラが出て来て、夜の散歩に行こうと誘(さそ)います。暗闇(くらやみ)が怖(こわ)いと渋(しぶ)るトムに、トラは明るい月夜だから大丈夫(だいじょうぶ)だと、トムを背中(せなか)に乗せて夜の中に歩きだします。

 森では、たくさんの動物がいて怖(こわ)がるトムに、みんなで遊べばいいと一緒(いっしょ)にかくれんぼを。川では水の中に飛び込(こ)んで、遊園地では回転ブランコに乗って...。新しい体験を重ねることで世界を広げる少年のファンタジー。

 夜を表す青、トラの茶色が鮮(あざ)やかで、画面いっぱいにトムの夜の冒険(ぼうけん)が繰(く)り広げられます。ページをめくるごとに、トムと同じドキドキを感じることでしょう。トムの見た絵はフランスの画家アンリ・ルソーのもので、巻末(かんまつ)に展示(てんじ)されている美術館(びじゅつかん)の紹介(しょうかい)もあります。本物を見るチャンスがあればぜひ! 画集で見てみるのもオススメです。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています