「サヨナラの前に、ギズモにさせてあげたい9のこと」 愛犬のため少年が奔走

 
小学館 1760円

 もしも、自分の最愛の犬の寿命(じゅみょう)が残りわずかだと知ったら、あなたはその犬にどんなことをしてあげたいと思うでしょうか...。

 13歳(さい)のジョージは、生まれたときからずっと愛犬ギズモと一緒(いっしょ)に育ってきた。両親が保健所(ほけんじょ)から引き取ってきたギズモは14歳で、人間でいえばもう78歳という老犬だった。

 相棒(あいぼう)ともいえるギズモとの別れが迫(せま)っていることを知り動揺(どうよう)するジョージは、そのほかにも両親の離婚(りこん)や、親友だった友達からひどいいじめを受けるなどつらい出来事を抱(かか)えていた。

 そんな状況(じょうきょう)の中でもジョージは前を向き、ギズモに最高の一生を送らせようと「サヨナラの前にさせてあげたい9のこと」というリストを作る。そして、母親の介護(かいご)をしながら犬の訓練士(くんれんし)を目指す少女リブと一緒に、九つの難関(なんかん)をクリアしようと懸命(けんめい)に奔走(ほんそう)するのだったが...。

 心の支(ささ)えだった愛犬のために頑張(がんば)るジョージの姿(すがた)に、熱い声援(せいえん)を送りたくなるユーモアたっぷりの優(やさ)しくて温かい物語。高学年から。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています