「オンボロやしきの人形たち」 楽しく愉快なおとぎ話

 
徳間書店 1540円

 ある女の子の家に「オンボロやしき」と呼(よ)ばれる古い人形の家がありました。ところが、新しい人形の家「ピカピカ城」がやってくると部屋のすみに追いやられてしまいました。オンボロやしきの6人の人形たちは家も着ているものもボロボロですが、全然気にしていません。みんな性格(せいかく)は明るく気立てがいいのです。ピカピカ城をながめては、ごちそうが10皿あると知ると、カブの料理をごちそうに見立ててはしゃいだり、輪になって踊(おど)ったり、とても楽しく過(す)ごしていました。

 ある時、小さな王女様が遊びに来ることになり、子ども部屋のオンボロやしきは燃(も)やされることに。人形たちは悲しみでいっぱい、いつもの笑顔も消え、踊ることもできません...。

 「少公女」「秘密(ひみつ)の花園」などで有名な作者による楽しく愉快(ゆかい)なおとぎ話です。英米では長く読まれてきた作品ですが、日本では初めての翻訳(ほんやく)です。陽気で個性(こせい)豊(ゆた)かな人形たちが好きになることでしょう。中学年から。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています