「オンボロやしきの人形たち」 楽しく愉快なおとぎ話

徳間書店 1540円
ある女の子の家に「オンボロやしき」と呼(よ)ばれる古い人形の家がありました。ところが、新しい人形の家「ピカピカ城」がやってくると部屋のすみに追いやられてしまいました。オンボロやしきの6人の人形たちは家も着ているものもボロボロですが、全然気にしていません。みんな性格(せいかく)は明るく気立てがいいのです。ピカピカ城をながめては、ごちそうが10皿あると知ると、カブの料理をごちそうに見立ててはしゃいだり、輪になって踊(おど)ったり、とても楽しく過(す)ごしていました。
ある時、小さな王女様が遊びに来ることになり、子ども部屋のオンボロやしきは燃(も)やされることに。人形たちは悲しみでいっぱい、いつもの笑顔も消え、踊ることもできません...。
「少公女」「秘密(ひみつ)の花園」などで有名な作者による楽しく愉快(ゆかい)なおとぎ話です。英米では長く読まれてきた作品ですが、日本では初めての翻訳(ほんやく)です。陽気で個性(こせい)豊(ゆた)かな人形たちが好きになることでしょう。中学年から。
※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています
- 「荒野にヒバリをさがして」 迷子の兄弟、心温まる絆
- 「大地をうるおし平和につくした医師 中村哲物語」 アフガンに井戸、65万人救う
- 「和ろうそくは、つなぐ」 職人の知恵、循環型の物作り
- 「てぶくろがいっぱい」 みんなの優しさ集まって
- 「戦争をやめた人たち・・・1914年のクリスマス休戦・・・」 敵兵士と共に歌、サッカー
- 「パンに書かれた言葉」 戦争の記憶、平和へつなぐ
- 「みんなの研究『女子サッカー選手です。そして、彼女がいます』」 性のあり方、個人を尊重
- 「ほじょりん工場のすまこちゃん」 春休みに自転車の特訓
- 「『オードリー・タン』の誕生」 心臓病や不登校乗り越え
- 「ぼくたちのスープ運動 小さな思いやりが世界を変える!」 「誰かのため」幸せ広げる