「自然を再生させたイエローストーンのオオカミたち」 自然よみがえらせた14頭

 
化学同人 2090円

 1995年、アメリカの国立公園「イエローストーン」にロッキー山脈(さんみゃく)の14頭のオオカミが放たれました。「家畜(かちく)を襲(おそ)うオオカミをなぜ?」と皆(みな)さんは不思議に思うでしょうね。それは自然の再生(さいせい)(再自然化(さいしぜんか))のためです。

 人間の乱獲(らんかく)で天敵(てんてき)だったオオカミがいなくなると、草や木の芽を食べつくすエルクが増(ふ)え、公園は荒(あ)れ果て野生動物もいなくなりました。それから約70年の後、地域(ちいき)の牧場主たちが反対する中、オオカミが野に放たれたのです。そして公園の自然は見事によみがえりました。草や木が伸(の)びて鳥や虫、水中の生き物、クマなどの野生動物がまた戻(もど)ってきたのです。自然の力はすごい! そして人間の叡知(えいち)もすばらしい!

 今、多くの困難(こんなん)な状況(じょうきょう)が私(わたし)たちのまわりにありますが、この本を読むと人間ってやはりすごいなと思うことができます。オオカミの躍動感(やくどうかん)あふれる絵が見事な絵本。学校図書館にぜひそろえてほしい一冊(いっさつ)です。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています