「飛べないハトを見つけた日から」 鳩の命救おうと頑張る

 
徳間書店 1760円

 イギリスの小さな町に住む12歳(さい)の少年ダリルは、公園で翼(つばさ)が折れて飛べない鳩(はと)を見つける。鳩の脚(あし)にはレース用のリングがついていた。ダリルは鳩を助けようと、友人ギャリーと一緒(いっしょ)に近所でレース鳩の飼育(しいく)をしている老人を訪(たず)ねる。

 そして、リングと羽裏(うら)のスタンプを頼(たよ)りに、持ち主のスピゴット氏を探(さが)し当てるが、「ケガした鳩は再(ふたた)びレースに出られないからいらない。殺処分(さつしょぶん)する」と聞かされショックを受ける。ダリルは鳩にチェロキーと名付け、小さな命を救(すく)おうと反対する両親を懸命(けんめい)に説き伏(ふ)せ、物置小屋で飼育を始めるが、学校でスピゴット氏の不良息子に「鳩泥棒(どろぼう)!」と絡(から)まれいじめを受ける。

 鳩を奪(うば)い返されることを恐(おそ)れ、酷(ひど)いいじめに耐(た)え続けるダリルだったが、小遣(こづか)いまでも要求され追い詰(つ)められていく。そんな時、賞金(しょうきん)が出る初心者向けの鳩レースがあることを知り...。

 鳩を守ろうとする少年の成長していく姿(すがた)を、生き生きと描(えが)いた感動作。高学年から。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています