「とりあえず とりのはなし」 女の子の絵がつなぐ3話

 
あかね書房 1320円

 子スズメのはなこは、人間のことが知りたくてたまりません。人間は危(あぶ)ないから近づいてはいけないと言われているのですが...。

 今日も電線にとまって、家の中をながめています。お化粧(けしょう)をして、きれいになるおかあさんを見たはなこは、もう我慢(がまん)ができなくなり、窓(まど)から中に入りました。鏡に向かい、羽を使ってお化粧をするとにっこり。そして、「チュン、バッチリ」と鳴きました。

 その声に驚(おどろ)いたのは、部屋のすみでお絵描(か)きしていた人間の女の子はなちゃんです。はなちゃんの絵は、風が吹(ふ)いて窓(まど)から飛んで行ってしまいました。第1話「スズメのはなし」。

 森で、絵を見つけたメンフクロウのしろさんが主人公の「メンフクロウのはなし」。ヤマシギのやまさんとオオナマズのぬまたくんの「ヤマシギのはなし」。はなちゃんの絵がつなぐ愉快(ゆかい)な三つのお話集です。ページごとのカラーの絵も楽しく、ひとり読みを始めた子におすすめの一冊(いっさつ)です。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています