「ルーミーとオリーブの特別な10か月」 盲導犬候補、少女との日々

 
小学館 1650円

 幼(おさな)い頃(ころ)母を亡(な)くし、大好きだった父もがんで亡くした12歳(さい)の少女オリーブは、会ったことがない異母姉(いぼし)のモーディーと暮(く)らすことになります。モーディーは、父の負債(ふさい)を返済(へんさい)するために家賃(やちん)の安いシェアハウスを借り、狭(せま)い部屋で2人の生活が始まります。

 転校で親友とも離(はな)れ、寂(さび)しさと不安でいっぱいのオリーブは、ある日盲導犬(もうどうけん)候補(こうほ)の子犬ルーミーに出会います。ルーミーをひと目で大好きになったオリーブは、パピーウォーカーとしてルーミーをシェアハウスで育てたいと、モーディーに頼(たの)み込(こ)みます。

 婚約(こんやく)者との関係に悩(なや)むモーディーや盲導犬の活動に関わる年上の少年ジョーダン、シェアハウスの住人たち...。オリーブを見守る人たちのそれぞれの優(やさ)しさに心が温かくなります。果たしてオリーブは、10か月後に無事ルーミーを巣立たせることができるでしょうか...?

 盲導犬やパピーウォーカーのことをもっと知りたくなる、高学年向けの読み物です。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています