「そらのことばが降ってくる」 保健室で俳句、仲間と成長

ポプラ社 1540円
ソラは以前から保健(ほけん)室登校をしている。中2のクラス替(が)え後1カ月間は教室に戻(もど)ったが、また保健室に帰ってきてしまった。保健室のドアを開けると、そこには同じ学年のハセオと名乗る俳句(はいく)好きな生徒がいた。
ハセオは、授業(じゅぎょう)中でも好きな時にふらりと保健室にやってきては、俳句を熱く語る。ソラはハセオのペースに巻(ま)き込(こ)まれ、とうとう保健室の北村先生と3人で保健室句会をすることに。そして4人目のメンバーとして、俳句経験(けいけん)者のユミが加入し、さらに俳句の輪がひろがっていき...。
言葉によって傷(きず)つけられた経験(けいけん)をもつソラとハセオとユミが、たった17文字の言葉で自分を表に出せるようになっていく。句友3人の距離(きょり)感がとてもよい、爽(さわ)やかな青春物語。
作者が俳人なので、俳句とは何か? といった知識(ちしき)も盛(も)り込まれており、俳句初心者のガイドブックとしても最適(さいてき)な一冊(さつ)。あなたも一句詠(よ)んでみては? 中学生から。
※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています
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