「おばあさんとトラ」 互いの愛情に心温まる
散歩が大好きなヨセフィーンおばあさんが雪の森で出会ったのは、なんとトラでした! トラはパクリとおばあさんを食べて、それでお話はおしまい。まさか!
そのトラは、おばあさんにからだをすり寄(よ)せ喉(のど)をゴロゴロゴロ。「うちにくるかい?」と、声をかけられたトラはおばあさんの家で仲良く暮(く)らし始めます。トラを恐(おそ)れていた町の人々がトラに慣(な)れてきたころ、トラはゴロゴロと喉を鳴らさなくなり黒いしま模様(もよう)も消えていきました。
獣医(じゅうい)さんは「ホームシックじゃな。トラは南の国に帰りたがっとる」と言いました。心配したおばあさんは、南の島へ行く船の往復切符(おうふくきっぷ)を買いました。そしてトラには、片道(かたみち)切符を買ったのでした。島が近づくとトラはゴロゴロと喉を鳴らして元気を取り戻(もど)し...やがてサヨナラ。トラのことばかり考えながら、また寒い季節を迎(むか)えたおばあさんでしたが...。
人と動物の愛情(あいじょう)あふれた心温まるお話。ダイナミックで色合い豊(ゆた)かな絵も魅力的(みりょくてき)。
※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています