「おばあさんとトラ」 互いの愛情に心温まる

徳間書店 2200円
散歩が大好きなヨセフィーンおばあさんが雪の森で出会ったのは、なんとトラでした! トラはパクリとおばあさんを食べて、それでお話はおしまい。まさか!
そのトラは、おばあさんにからだをすり寄(よ)せ喉(のど)をゴロゴロゴロ。「うちにくるかい?」と、声をかけられたトラはおばあさんの家で仲良く暮(く)らし始めます。トラを恐(おそ)れていた町の人々がトラに慣(な)れてきたころ、トラはゴロゴロと喉を鳴らさなくなり黒いしま模様(もよう)も消えていきました。
獣医(じゅうい)さんは「ホームシックじゃな。トラは南の国に帰りたがっとる」と言いました。心配したおばあさんは、南の島へ行く船の往復切符(おうふくきっぷ)を買いました。そしてトラには、片道(かたみち)切符を買ったのでした。島が近づくとトラはゴロゴロと喉を鳴らして元気を取り戻(もど)し...やがてサヨナラ。トラのことばかり考えながら、また寒い季節を迎(むか)えたおばあさんでしたが...。
人と動物の愛情(あいじょう)あふれた心温まるお話。ダイナミックで色合い豊(ゆた)かな絵も魅力的(みりょくてき)。
※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています
- 「荒野にヒバリをさがして」 迷子の兄弟、心温まる絆
- 「大地をうるおし平和につくした医師 中村哲物語」 アフガンに井戸、65万人救う
- 「和ろうそくは、つなぐ」 職人の知恵、循環型の物作り
- 「てぶくろがいっぱい」 みんなの優しさ集まって
- 「戦争をやめた人たち・・・1914年のクリスマス休戦・・・」 敵兵士と共に歌、サッカー
- 「パンに書かれた言葉」 戦争の記憶、平和へつなぐ
- 「みんなの研究『女子サッカー選手です。そして、彼女がいます』」 性のあり方、個人を尊重
- 「ほじょりん工場のすまこちゃん」 春休みに自転車の特訓
- 「『オードリー・タン』の誕生」 心臓病や不登校乗り越え
- 「ぼくたちのスープ運動 小さな思いやりが世界を変える!」 「誰かのため」幸せ広げる