「女王さまのワードローブ イギリス国民に愛されつづける女王エリザベスの物語」 国と共に、100年の服装

 
BL出版 1980円

 イギリスのエリザベス女王は、今年2月、96歳(さい)で、世界最長の在位(ざいい)70周年を迎(むか)えました。1952年に25歳で女王になって以来、国民に愛されながら今も公務(こうむ)を続けています。この絵本は、女王の服装(ふくそう)を通して100年に近いその人生と時代を語るものです。

 ビクトリア女王の時代から受け継(つ)がれてきた正装用のベビードレス、戦後の物資(ぶっし)不足から配給券(けん)でそろえたウエディングドレス、大切な戴冠(たいかん)式のドレスには、刺(し)しゅう職人(しょくにん)によって3500時間をかけて豪華(ごうか)な刺しゅうが施(ほどこ)されました。

 一方、第2次世界大戦中には女王も入隊し、つなぎ姿(すがた)でタイヤ交換(こうかん)をしたこともあったとか。外出時にたいていかぶる帽子(ぼうし)や身に着ける宝石(ほうせき)類も楽しく、女王のワードローブの向こうには、国と共に時代を生きる一人の女性(じょせい)の人生がうかがえます。

 美しく親しみやすい絵がとても魅力的(みりょくてき)で、女王を身近に感じさせ、イギリスという国への関心をそそる一冊(いっさつ)です。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています