「おもちゃ屋のねこ」 不思議な猫、心温まる物語

徳間書店 1650円
どこからきたのか、ショーウインドーの中に丸くなって寝(ね)ている猫(ねこ)がいます。ここはハティの大おじさんのおもちゃ屋さん。ハティはいつも学校の帰りにこの店に寄(よ)り、お母さんが迎(むか)えに来るまで手伝いをしているのです。
店に居(い)ついた猫にハティは「クルリン」という名をつけます。きりっとした賢(かしこ)そうな緑の目のクルリン。猫はなんでもお見通し! とばかりに、お客さんの欲(ほ)しい物までわかるみたい。クルリンがきてから、なぜか前よりおもちゃが売れるようになってきたのです。そんなある日、夏なのにコートを着込(きこ)んだなんだか怪(あや)しい老夫婦(ろうふうふ)が店に入ってきて...。
昔ながらのおもちゃ屋を舞台(ぶたい)にした、不思議な猫と人々の心温まる物語。古風な英国の雰囲気(ふんいき)の挿絵(さしえ)は物語の世界にピッタリ。作者リンダ・ニューベリーは、50冊(さつ)以上の本を出し、英国のコスタ賞(しょう)を受賞した作家ですが、残念ながら日本語翻訳(ほんやく)本は3冊ほど。他の物語も読める日がくればいいですね。中学年から。
※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています
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- 「戦争をやめた人たち・・・1914年のクリスマス休戦・・・」 敵兵士と共に歌、サッカー
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- 「みんなの研究『女子サッカー選手です。そして、彼女がいます』」 性のあり方、個人を尊重
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