「ほじょりん工場のすまこちゃん」 春休みに自転車の特訓

福音館書店 1210円
メッキ工場や自転車の部品を作る小さな工場が並(なら)ぶ町で、すまこちゃんの家は子ども用自転車の補助輪(ほじょりん)を作っています。
ぽかぽかと暖(あたた)かな春休み、すまこちゃんはころころ(補助輪のことをすまこちゃんはこうよんでいます)の音を響(ひび)かせながら、ゆったり気分で自転車をこいでいます。宿題もない自由で最高な毎日、それなのに突然(とつぜん)お父ちゃんが「休みの間にころころが取れるよう、自転車の練習をするぞ!」と言い出しました。
のんびりやのすまこちゃんはびっくりです。「せっかくの休みがだいなし、それに無理、ぜったい無理だ」と思いました。
このお話は作者の安井寿磨子(やすいすまこ)さんの、子どもの頃(ころ)の思い出です。せっかちなお父ちゃんと優(やさ)しく支(ささ)えるお母ちゃんとの日々が明るく、時にしんみりと描(えが)かれます。友だちやご近所さんとのつながりも温かく、ふんわりと心に残る作品です。表情(ひょうじょう)豊(ゆた)かで生き生きとしたさし絵にも心ひかれます。
※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています
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