「みんなの研究『女子サッカー選手です。そして、彼女がいます』」 性のあり方、個人を尊重

 
偕成社 1650円

 皆(みな)さんは、この本のタイトルを読んだ時、何を感じたでしょうか。最近では、性(せい)のあり方を表す言葉の頭文字をとったLGBTや、セクシャルマイノリティーという言葉をよく耳にしますが、その言葉の意味について理解(りかい)できているでしょうか?

 作者の下山田志帆(しもやまだしほ)さんは、現役(げんえき)の女子サッカー選手です。彼女(かのじょ)は、異性(いせい)である男性ではなく女性が好きで、生まれながらの性別が女性ではないと感じていました。ドイツのチームに所属(しょぞく)していた時、自分を自由に表現するチームメートの姿(すがた)に驚(おどろ)き、自らの生き方を認(みと)めることができて心が軽くなったそうです。

 日本でも、学校の女子の制服(せいふく)にスカートだけでなくズボンを取り入れたり、LGBT用のトイレが設置(せっち)されるなど、環境(かんきょう)を整え個人(こじん)を大切にする取り組みが始まっています。

 日本の全人口の10%がLGBTといわれる今、ありのままの個人を理解し認め合い、尊重(そんちょう)することの大切さを学べる一冊(いっさつ)です。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています