「かあさんうさぎと金のくつ」 子どもの頃の夢、忘れず

 
徳間書店 1870円

 うさぎのフワフワは、小さな頃(ころ)から「イースターうさぎ」になるのが夢(ゆめ)でした。イースターうさぎとはキリスト教のお祝いの日、イースターに色を塗(ぬ)ったり模様(もよう)をつけたりしたきれいなイースターエッグ(卵(たまご))を運んでくる、選ばれたうさぎのことです。

 大人になったフワフワは、21匹の子どものお母さんになりました。子どもたちにお掃除(そうじ)や料理、楽しく気持ちよく暮(く)らすためのあれこれを教えながらも、夢(ゆめ)を忘(わす)れてはいませんでした。そうして、子どもたちがずい分大きくなった頃、お城で新しくイースターうさぎが選ばれることになりました。フワフワは子どもたちを連れて見物に出かけましたが、見ているだけの自分が悲しくもなりました。でも、そこで思いがけないことが起こるのです...。

 賢(かしこ)くて頑張(がんば)り屋のフワフワに元気づけられるこの物語は、80年以上も読み継(つ)がれています。昔風のさし絵が新鮮(しんせん)に感じられ、とりわけ子うさぎたちの愛らしさは格別(かくべつ)です。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています