「お山のライチョウ」 「神様の使い」絶滅の危機

 
偕成社 1760円

 ライチョウは、雷(かみなり)が鳴るような天気の悪い日によく見られるので雷の鳥「雷鳥(らいちょう)」と呼(よ)ばれています。おもに北アルプスの立山に生息し、昔から神様の使いとして大切にされてきました。そのため人を怖(こわ)がらないライチョウには驚(おどろ)くほど近づくことができるのです。

 写真家の戸塚学(とづかがく)さんは、初めて出合った時からライチョウのとりこになり、20年以上も立山に通い続け撮影(さつえい)をしています。春のオスとメスの出会い、ヒナが卵(たまご)からかえり育っていく愛らしい姿(すがた)。天敵(てんてき)から身を守るため、季節の風景に溶(と)け込(こ)むように年に3回も生え替(か)わる羽、冬には雪のような真っ白い冬毛になり、足の裏(うら)まで羽毛でおおわれます。

 そんなライチョウが今、地球温暖(おんだん)化によって絶滅(ぜつめつ)の危機(きき)にひんしています。研究者や動物園が協力し進めている保護(ほご)活動。その様子も分かりやすく書かれている写真絵本です。巻末(かんまつ)のQRコードから著者(ちょしゃ)が撮影(さつえい)した動画を見ることもできますよ。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています