役場倉庫にしまわれたままの村長選用掲示板＝桧枝岐村

　２２日の投票日まであと２日に迫った統一地方選で、村長選と村議選が行われている桧枝岐村では、山あいの小さな村に「お願いコール」がこだますることなく、選挙戦を感じさせない普段と変わらない静けさが漂う。村長選は実に４４年ぶり、村議選は８年ぶりの実戦だが、村長選、村議選に立候補している合わせて１１人の誰一人として、選挙ポスターは作らなかった。そもそも同村は県内の自治体で唯一、選挙で掲示板を設置する条例を定めていない。村外からの立候補者が出た場合に備え、村選管が準備した村長選用の掲示板も役場倉庫にしまわれたままだ。
　選挙ポスターがなく、掲示板すら立たない村長選と村議選が繰り広げられている同村は、投票所を１カ所しか必要としない狭いエリアに約２００世帯が軒を並べ、住民約６００人の誰もが顔見知り。その多くが地縁血縁でつながっているという、他町村にはない特殊な事情も、選挙の気配を封じ込めている。
（２００７年４月２０日　２００７統一地方選福島民友ニュース）