●　特集一覧

福島県に未曽有の災害をもたらした東日本大震災と東京電力福島第１原発事故から間もなく４年６カ月を迎える。いまだ約１１万人が避難生活を続けている一方、避難指示解除に向けた市町村の動きも進みだした。しかし、学校、仕事など避難元で暮らしを再開するための課題は多い。避難地域以外でも県民らは農産物への風評などと闘い続けている。復興への歩みを進める上での課題や現状をシリーズで追う。

農林業　（２０１５年９月１１日掲載）

農業再生…一歩ずつ　農地復旧、生産増へ農地大区画化 「湯川のコメ」寄付者に人気　ふるさと納税でイメージアップ 林業復活へ知恵　南会津の団体「森林のブランド力高める」 福島大うつくしまふくしま未来支援センター・小松知未さん

漁業と復興　（２０１５年９月１０日掲載）

底引き網「水深90メートル」まで拡大　本格再開へ一歩前進 消費者理解、イメージ向上へ努力　小売り、制限解除期待 サブドレン…風評の悪化懸念　事故のない安定した運用を 「サケ漁」10月中旬再開　楢葉・木戸川、やな場は３月完成 福島大環境放射能研究所所長・難波謙二さんに聞く

記録継承　（２０１５年９月９日掲載）

【震災記録施設】　「教訓」次世代託す　情報発信・人材育成 【富岡町】　帳簿や写真…歩み残す　文化財の消失を防ぐ 【双葉町】　ウェブ上で「激励品」公開　支援への感謝伝える アーカイブ拠点有識者会議会長・小沢喜仁さんに聞く

原発のいま　（２０１５年９月８日掲載）

汚染水低減に道筋　第１原発１号機「溶融燃料」発見ならず 「サブドレン」水位の管理課題　東電、求められる情報公開 冷却水「１日300トン」注水　汚染水・発生量も「１日300トン」 県原子力対策監・角山茂章さん聞く　トラブル…帰還に影響

理療・健康　（２０１５年９月７日掲載）

“間接的影響”確認へ　県民健康調査、生活習慣病に懸念 がんとの関係は…　甲状腺検査、「放射線影響考えにくい」 整備進む医療拠点　産み育てる環境に／帰還へ不安解消 子ども“楽しむ場所”へ　屋内遊び場、利用者の意識が変化 県民健康調査検討委員会座長・星北斗さんに聞く

中間貯蔵　（２０１５年９月６日掲載）

本格輸送へ課題探る　９市町村試験輸送、時間短縮を検討 建設予定地地権者…思いはさまざま　「土地手放すか」迷い 用地交渉難航、対応を急ぐ　環境省、中間貯蔵施設予定地 市町村は搬出待つ　汚染土壌、伊達には仮置き場100カ所 環境省福島環境再生本部副本部長・小沢晴司さんに聞く

復興予算　（２０１５年９月５日掲載）

復興へ財源確保は　「道路整備」中心、本県負担は69億円 「立地補助金」継続の形は先見えぬまま　議論は年末まで 【避難区域市町村長の声】融通の利く予算に／国は責任を 福島復興局長・田谷聡さん聞く　復興財源、青天井ではない

学校　（２０１５年９月４日掲載）

岐路に立つ「学び」　生徒数の減少止まらず、先行き不透明 【ふたば未来学園】　体験、交流“充実の毎日”　先進的教育 【双葉郡内小・中学校】　少人数「一人一人が主役」意欲高く 【サテライト】　３年間、仮校舎「母校」　一度も本校舎へは… 県教育長・杉昭重さんに聞く　“中高一貫”郡内町村と連携

賠償と風評　（２０１５年９月３日掲載）

事業再開…課題多く　「地元で」全体の２割、再開を断念も 「元の場所」願う商工業者　加藤さん、なじみ客一言後押し 風化、風評…戻らぬ客足“危機直面”　賠償、支援の継続を 県商工会連合会長・轡田倉治さんに聞く　賠償を続けるべき

新天地　（２０１５年９月２日掲載）

住環境・需要が変化　復興公営、“人気地区”に応募が集中 仮設住宅、原則終了へ集約進む　「あくまで応急的住まい」 「交流員派遣」絆づくりで一役　イベントやサロン開催企画 県避難地域復興局長・伊藤泰夫さんに聞く　支援さらに強化

避難指示解除　（２０１５年９月１日掲載）

古里帰還、阻む不安　17年解除方針、実効性ある施策が鍵 【楢葉】　医療の再会必要　病院ない…心理的不安大きい 【南相馬・小高区】　「夜間が心配」　パトロールで治安維持 【葛尾】　「自分だけ戻っても…」　松本さん、戻る住民少なく 【川俣・山木屋】　仮設避難の住民「都市部の生活慣れた」 小高ワーカーズベース・和田智行さんに聞く　住みたい町に

●　特集一覧　（２０１５年８月１１日掲載）

震災と原発事故からの復旧・復興事業を進める本県にとって、全国から応援で派遣される職員の支えは大きい。一方、応援職員の派遣元の自治体でも行政改革の一環で職員数の削減が進むなど、被災地への派遣が容易でなくなる可能性もある。インフラ復旧などでピークを越えた事業もあるが、避難指示が出されている市町村の復興拠点整備事業などは今後本格化するとみられ、県や市町村の人員確保は課題になる。人手不足が復興の遅れにつながる懸念もある。

「応援職員」復興の鍵　菅野さん、鍵建築知識で将来像描く 人手不足の解消へ“特効薬”なし　技術職員の確保厳しく… 大熊は「技術職員」集まらず　産業復興の加速化向け課題 【起き上がり小法師】〔いわき・たまごの郷〕品質にこだわり

●　特集一覧　（２０１５年７月１１日掲載）

政府が、楢葉町の避難指示を９月５日に解除する方針を同町に伝えたことで、帰還を望む住民は古里での暮らしの再開に向け準備を進めている。政府は、他の居住制限、避難指示解除準備の両区域の避難指示について２０１７（平成２９）年３月までに解除する方針を明らかにしている。ただ、避難区域の住宅はほとんどが傷んでいる。一方で施工業者の不足などから「修繕工事に着手できるのは相当先だろう」と懸念する声もある。避難指示が解除されても自宅に住むことができる状態になるまで時間がかかる可能性もある。

住宅修繕、期待と不安　業者不足、着工３カ月遅れ「やっと」 相談48件、実績ゼロ　県復興住宅マッチングサポート制度 「荒廃」認定で国が解体　避難区域内、所有権の複雑化も 県建築士事務所協会専務理事・但野広さんに聞く 【起き上がり小法師】〔オオヤマフーズマシナリー福島工場〕

●　特集一覧　（２０１５年６月１１日掲載）

県や観光関係者は、東日本大震災と東京電力福島第１原発事故で大きく落ち込んだ本県への教育旅行の復活に力を入れている。本県での学びを体験してもらうのが最優先だが、関係者にとって、教育旅行で本県を訪れた子どもたちが大人になって観光客として再び本県に来てもらうための「先行投資」としての意味合いもあるからだ。ただ、震災と原発事故以降は、被災地学習という新たなテーマも加わり、本県への教育旅行の目的も変わってきている。

教育旅行“復活に力”　千葉・御滝中、安全性を確認し再開 近隣県、関東地方の動き鍵　教育旅行、厳しい状況が続く 若松観光ビューロー教育旅行委員長・曲山靖男さんに聞く 【起き上がり小法師】〔南相馬・ワインデング福島〕

●　特集一覧　（２０１５年５月１１日掲載）

東日本大震災と東京電力福島第１原発事故により生じた本県に対する「負のイメージ」。現実とかけ離れた風評も生まれ、本県産業に大きな打撃を与え続けている。震災と原発事故の記憶の風化というもう一つの「風」も関係者を悩ませている。行政、民間とも風評、風化対策に全力を挙げ、成果も出ている一方、根強く残る課題もあり、関係者は解決策を探り続ける。

「風評・風化」対策に全力　販売・誘客ＰＲ、県が強化戦略へ 売り上げ回復、３割程度　会津中央乳業、首都圏出荷継続 いわき市、「風評払拭」へ部局連携　“見せる課”全国で活動 本県イメージ“改善傾向”　「関心・応援度」は落ち込み大きく 【起き上がり小法師】〔川俣・カミノ製作所〕名物納豆復活へ

●　特集一覧　（２０１５年４月１１日掲載）

全町避難からの帰還に向けて、４月６日に長期宿泊が始まった楢葉町だが、暮らしの中で最も重要な「水」に対する町民の不安が根強く、いかに払拭（ふっしょく）できるか関係者は頭を痛める。すでに長期宿泊を経て避難指示が解除された田村市都路地区、川内村の一部では産業の継続に向けた課題などが残る。また、常磐道の全線開通などの基盤整備が進んでいる一方、原発の汚染水対策が一進一退を続けており、住民の帰還意識に影響している。

消えぬ「水」への不安　楢葉町帰還の課題、議論は平行線 「人が集まる環境つくる」　秋元さん、川内復興へ活動展開 “不信感”強める漁業者　第１原発・汚染雨水の港湾外流出 全線開通の常磐道、想定上回る通行量　国道６号渋滞緩和 【起き上がり小法師】〔楢葉・豚壱〕ピンチをチャンスに変える

●　特集一覧

東日本大震災の発生から３月１１日で丸４年の節目を迎える。東京電力福島第１原発事故による本県の避難者は１２万人を切ったものの、いまだ県内には７万３０００人、県外では４万５０００人が不自由な暮らしを余儀なくされている。田村市や川内村の一部では避難指示が解除されたところがあるものの、事故前の状況にはほど遠い。

支える　（２０１５年３月１１日掲載）

被災者支える活動　劇団１２０○ＥＮ、“福島の魅力”舞台で フラで仮設住民に“笑顔の花”を　好間高・フラダンス同好会 「安全が実感できるいわきへ」　いわき中央署・復興支援課 県内ボランティアは減少傾向　2014年12月は最少の406人 全国ボランティアフェスティバル実行委員長・中田スウラ氏

風化防止・語り継ぐ　（２０１５年３月１１日掲載）

“震災の記憶”後世に　浪江まち物語つたえ隊が体験紹介 県内公立学校で「防災授業」　命の大切さを考える機会に 住民救った殉職警官２人　津波被災、双葉署・パトカー保存 豊間中・校舎の解体決まる　津波で多くの犠牲、複雑な思い ふくしま震災遺産保全プロジェクト実行委事務局・高橋満氏

20歳の復興　（２０１５年３月１１日掲載）

【私が描く「未来」・八重樫淳さん】　消防士として人を守る 【私が描く「未来」・根本浩輔さん】　地元で整骨院の開業を 【私が描く「未来」・佐藤晃一さん】　古里のために力尽くす 【私が描く「未来」・渡辺陽生さん】　信頼される救命士に 【私が描く「未来」・斎藤華奈さん】　“会津は元気”伝えたい

東京五輪と復興　（２０１５年３月１１日掲載）

五輪合宿誘致目指す　本県復興アピール、Ｊヴィレッジ活用 「活気が戻る」地元も期待　Ｊヴィレッジ再開と五輪関連事業 「希望する」20市町村　東京五輪・事前合宿誘致へ活発化 建設業、人手不足拍車　東京五輪準備、除染に支障の恐れ

県民の思い　（２０１５年３月１１日掲載）

【広野町・鈴木　正範さん】　“古里の川”環境取り戻す 【福島市・穂苅　　翼さん】　「復興の力に」県内を奔走 【伊達市・曳地代里子さん】　心込め「あんぽ柿」生産 【南相馬市・小林　友子さん】　避難者の手作り品販売 【浪江町・山田　慎一さん】　「大堀相馬焼」の灯を守る 【富岡町・小野　耕一さん】　「草木染」を“新名物”に 【大熊町・山田　　誠さん】　思い出を刻む“趣味の写真” 【双葉町・中谷　祥久さん】　避難先で古里の「ダルマ市」

除染・中間貯蔵施設　（２０１５年３月１０日掲載）

難航する「中間貯蔵」　本格稼働の時期は依然“不透明” 川俣町、不信感から仮置き「一時拒否」　汚染土壌一時保管 【中間貯蔵施設Ｑ＆Ａ】　Ｑ：施設へ搬入どのように進めるの 進む除染、潜む課題　「仮置き場設置」協議、福島市で支障 「森林除染」遅れ目立つ　林業再生への道のりは険しいまま 「農業用ため池」除染、中間貯蔵施設への搬入基準が焦点

賠償　（２０１５年３月１０日掲載）

どうなる「営業賠償」　合意の賠償金は総額４兆6500億円超 地元反発で「素案」撤回　営業損害賠償、国と東電再検討 「地域単位」が多い集団申し立て　裁判外紛争解決手続き 高橋さん「古里、富成守りたい」　伊達・保原、ＡＤＲ申し立て 原子力損害賠償紛争解決センター福島事務所長・浜田愃氏

地方創世と復興　（２０１５年３月１０日掲載）

新たな本県の創造と可能性　地方創世のモデルとして注目 「地方創生の具体的な一歩に」　小泉進次郎氏の発言要旨 “半農半電”で農業再生へ　「ソーラーシェアリング」を普及 流出続けば2040年・県内20〜30代女性は“震災前の半分” 郡山ペップ子育てネットワーク理事長・菊池信太郎氏に聞く

放射線と健康　（２０１５年３月９日掲載）

減少見えた線量　子どもの外部被ばく、政府推計の３分の１ 「毎時19マイクロシーベルト超」地域、放射線量が大幅縮小 着実に出ている“除染効果”　日大歯学部・野口邦和准教授 “健康不安”解消へ　甲状腺がんと被ばく「因果関係明確に」 子どもの肥満、体力低下“深刻な問題”　運動不足が習慣化 長谷川有史福島医大医学部教授に聞く　現実に近い推計を

教育復興　（２０１５年３月８日掲載）

復興担う人材育成　ふたば未来学園、152人夢実現へ一歩 故郷身近に「ふるさと創造学」　双葉郡の小中校、先行導入 「ふたばの教育復興応援団」メンバー、各界から心強い17人 震災を糧に“心の指導”　独自の道徳資料、人を思いやる心 福島大が「中井プラン2021」策定　現場の現職教員再教育 震災経て子ども成長、できることを懸命に　杉昭重県教育

閣僚に聞く　（２０１５年３月８日掲載）

竹下復興相、被災者自立に比重　自治体負担、地元と協議 望月環境相、県外最終処分守る 信頼得たい中間貯蔵運営

風評と闘う　（２０１５年３月７日掲載）

営農再開へまず一歩　コメ農家・寺沢さん“喜び・不安交錯” “おもてなし”向上へ　魅力発信へ「二本松少年隊」猛練習 本県観光客、震災前の８割まで回復　13年は4831万5000人 「県民一人一人がプレーヤー」　伏見ＪＲ東日本福島支店長 【避難市町村長に聞く】　松本楢葉町長、桜井南相馬市長 天栄米栽培研究会長・岡部政行氏に聞く　安全性訴え活動

産業再生　（２０１５年３月６日掲載）

進む「ロボット革命」　廃炉作業、介護…広がる“活躍の場” “新天地と共に”　岡田会長「従業員は宝」、地元近くで再開 再生エネルギー導入“ますます加速”　県の見込み量上回る 【避難市町村長に聞く】　遠藤広野町長、菅野飯舘村長 南相馬ロボット産業協議会・五十嵐伸一副会長に聞く

地震・津波からの再生　（２０１５年３月５日掲載）

地域の拠点“再出発”　小峰城跡「三重櫓」、待望の再公開 いわき・小名浜港の整備本格化　機能強化や商業施設出店 進む造成「防災集団移転」　津波浸水区域・３市町では完了 「災害公営住宅」４割が完成　生活再建へ、ニーズの把握を いわきの新川さん、集団移転で転居後も交流継続「安心」 【避難市町村長に聞く】　宮本富岡町長、松本葛尾村長

復興公営住宅　（２０１５年３月４日掲載）

遅れる用地造成　工期に影響、状況に応じて優先工事検討 “原発事故と津波”避難者隣り合わせ　いわき・下神白団地 県避難地域復興局長・樵隆男氏に聞く　あらゆる策で短縮

仮設生活　（２０１５年３月４日掲載）

問われる「支援策」　仮設入居者は減少傾向、住宅集約へ 仮設住宅の「空き室」を医療従事者に　県が市町村に通知 “望郷の念”作詞で表現　川俣の大内さん、日々の励みに 【避難市町村長に聞く】　遠藤川内村長、冨塚田村市長

廃炉・汚染水対策　（２０１５年３月３日掲載）

廃炉へ“道のり険しく”　第１原発４号機は燃料取り出し完了 再び遠のく信頼回復　汚染雨水流出、東電いまだ認識甘く 「労災事故」３倍以上に増加　安全管理の甘さが浮き彫りに 福島第１廃炉推進カンパニー・増田尚宏最高責任者に聞く 【避難市町村長に聞く】　渡辺大熊町長、古川川俣町長 県原子力対策監・角山茂章氏に聞く「今ある作業を確実に」

つながる「浜街道」　（２０１５年３月２日掲載）

交通網復興進む　国道６号交通量増、復旧作業で朝夕渋滞 不通駅間で「代行バス」　ＪＲ常磐線・いわき−仙台間つなぐ 常磐道、集中的除染経て工事　復興へ必要性と期待高まる 「貨物量」震災前の水準に　小名浜・相馬両港、物流の“要”

ふたばの未来　（２０１５年３月２日掲載）

産業再生へ見え始めた“将来像”　国際研究産業都市構想 【各世代の提言】　富岡の平良さん、“音のある古里”復活を 川内村は６割帰還　双葉郡８町村避難状況、見通し立たず 【避難市町村長に聞く】　伊沢双葉町長、馬場浪江町長

避難区域は今　（２０１５年３月１日掲載）

進む復興拠点づくり　大熊復興計画、住める環境整備急ぐ 町の現状に即して「青写真」　富岡、町民と若手職員“奮闘” 「町の発展この目で」　富岡の原田さん夫妻、情報発信望む 帰還へ追加除染やインフラ復旧　楢葉、生活の場確保懸念 「戻りたい」２割弱　浪江・双葉・大熊・富岡の避難者を調査 避難者“12万人切る”　続く減少傾向、要因に住宅再建など 【避難区域の推移】　楢葉、春以降「避難指示解除」判断へ 東日本国際大経済情報学部長・福迫昌之教授に聞く

●　特集一覧　（２０１５年２月１１日掲載）

３０年から４０年ともいわれる東京電力福島第１原発の廃炉作業。溶けた核燃料の状態は把握すらできておらず、高線量の現場ではロボットによる作業の精度が解決の鍵を握る。本県では浜通りをロボット開発の拠点とする福島・国際研究産業都市（イノベーション・コースト）構想を核に、企業と人材を育成する。世界に誇る「ロボットバレー」を目指し、緒に就いたばかりの本県のロボット開発の現状と今後の課題を探る。

【開発支援】　ロボット製品化の動き、県内へ産業集積図る 【医療介護】　“役立つもの”を実用化、復興へ導く「ロボット」 【連携】　「除染技術」確立目指す、情報共有し技術力を向上 【廃炉】　遠隔操作型ロボットを投入、建屋内の把握に活用 県ハイテクプラザ・袖岡賢所長に聞く　「磨いた技術活用を」

●　特集一覧　（２０１５年１月１１日掲載）

東日本大震災から１月１１日で３年１０カ月。津波で大きな被害を受けたいわき市平豊間地区の復興商店街「とよマルシェ」は１５日にグランドオープンする。店主たちはそれぞれの困難を乗り越え、自分自身と地域の復興を目指して再起をかける。一方、東京電力福島第１原発では４号機の使用済み核燃料プールからの燃料取り出しが完了した。今後は他号機でのさらに困難な作業に移り、東電にとっては正念場の年となる。

再起担う復興商店街　「とよマルシェ」15日に本格オープン 思い描く“昔の豊間”　中華はまや、地元住民の再会の場に 店舗移転や解体…契約満了で転機　本格的な事業再建へ 第１原発・４号機「核燃料取り出し」完了　課題は１〜３号機 県原子力専門員・高坂潔氏に聞く　作業員安全確保最優先

●　特集一覧　（２０１４年１２月１１日掲載）

東日本大震災から１２月１１日で３年９カ月。避難区域やその周辺地域の住民が抱く生活への不安は今も強く、東京電力に賠償の増額などを求める裁判外紛争解決手続き（ＡＤＲ）の申し立ては増加傾向にある。福島第１原発の汚染水対策では、２号機の地下道（トレンチ）にたまった高濃度汚染水の抜き取りについてセメントでトレンチをふさぐ作業が始まった。原発事故を想定した住民避難訓練では避難手法の課題が浮き彫りになるなど原発事故からの復旧・復興はいまだ道の途上にある。

増え続ける「裁判外手続き」　和解仲介、13年上回るペース 膨らむ心労…“最後の手段”　除染道半ば、営農再開断念 「最終手段」セメント注入　福島第１原発２号機トレンチ問題 住民避難…ぎくしゃく　原発事故想定訓練、「時間かかった」 ふくしま弁護団・岩渕敬共同代表に聞く　生活激変、対策を

●　特集一覧　（２０１４年１１月１１日掲載）

東日本大震災から１１月１１日で３年８カ月。入居期間を原則２年とする仮設住宅に住む住民は４度目の冬を迎えるが、住民が待ち望む復興公営住宅の建設は遅れが目立つ。東京電力福島第１原発の燃料取り出しや中間貯蔵施設への汚染土壌の運搬など本県復興に向けた課題は山積している。

長引く避難、仮設住宅「劣化」　壁にひび、エアコン誤作動… 【第１原発１号機・建屋カバー解体】　粉じん飛散、ミス防げ 【４号機・廃炉へ峠越える】　１〜３号機・燃料の搬出に課題 【中間貯蔵施設への搬入】　「積み込み場」で集約し輸送へ 県トラック協会・渡辺泰夫会長に聞く　運搬に万全の対策を

●　特集一覧　（２０１４年１０月１１日掲載）

東日本大震災から１０月１１日で３年７カ月を迎える。東京電力福島第１原発事故による農業への影響は現在も続いているが、今秋から県北地方特産の「あんぽ柿」の加工再開モデル地区が昨年の３倍に拡大されるなど、農業復興に向けた取り組みも広がっている。一方、中間貯蔵施設は来年１月の搬入開始が見通せないため、除染で出た汚染土壌などを一時保管する仮置き場について、環境省は「３年程度」としてきた設置期間を１年単位で延長を要請する方針を示した。ただ、期間延長について住民らの理解を得られるか先行きは不透明だ。

「あんぽ柿」産地復活へ　加工再開モデル地区、３倍に増加 ４年ぶり収穫を喜ぶ「一歩前進」　伊達市の農家・阿部さん 価格の維持、販路拡大が鍵　あんぽ柿出荷、２年目の課題 事故・犯罪の警戒強化を　「国道６号」全面開通、交流拡大 「仮置き場契約」期間延長要請へ　迫られる地権者との協議

●　特集一覧

東日本大震災と東京電力福島第１原発事故から、９月１１日で３年６カ月となる。本県は、いまだ１２万人余りが県内外に避難を続け、先の見えない生活への不安を抱えている。一方、避難指示の解除が一部であり、復興に向けて前進する動きも見られる。県内の現状をシリーズで追う。

原発作業員　（２０１４年９月１１日掲載）

人不足“線量の壁”　上限超えベテラン離脱、健康管理重要 増え続ける「労災」、14年度36人　福島第１原発・作業災害 福島大名誉教授・今野順夫氏に聞く　「健康、安全に配慮」

第１原発の今　（２０１４年９月１１日掲載）

「汚染水」との格闘依然続く　東京電力の対策“見えぬ効果” 地域再生の核は「廃炉産業」　避難続く地元は複雑な思い 漁業の夜明け…きっと　いわきの今泉さん、将来を見据える 会津大教育研究特別顧問・角山茂章氏に聞く　全て後手に

避難指示　（２０１４年９月１１日掲載）

避難者、悩み多き生活再建　帰るべきか…避難先に残るか 広野に居住は人口の半数　「避難区域」縮小も帰還進まず Ｑ：県外避難者数なぜ増えた　Ａ：賃貸住宅人数も調査追加 福大いわき・双葉支援サテライト長・仲井康通特任教授聞く

被ばく　（２０１４年９月１１日掲載）

健康不安“鈍る決心”　農業者推計で年１ミリシーベルト超 個人推計「過小評価」を懸念　子どもの「定数」提示も課題 18歳以下の甲状腺がんは57人　「因果関係あるか調べて」 ＮＰＯ法人放射線安全フォーラム理事・多田順一郎氏に聞く

介護・ボランティア　（２０１４年９月１０日掲載）

増す“負担”、見えぬ“対策”　介護職員不足など解消されず 「避難者の要介護」増加傾向　生活環境の変化、大きく影響 ニーズに対応、広がる活動　福大災害ボランティアセンター 相馬郡医師会長・樋口利行氏に聞く　国主体で派遣制度を

農業・漁業　（２０１４年９月９日掲載）

「復興牧場」始動　相双の酪農家意欲、共同経営会社設立 「県産米」輸出再開　シンガポール足掛かり、販売実績築く モモの価格が回復傾向に　“地道なＰＲ効果”風評払拭へ 「試験操業」魚種51種　本県漁業、ヒラメの早期開始を願う 工場産「レタス」、新たなブランド確立へ　若松で本格出荷 ジェトロ福島所長・永松康宏氏に聞く　県産品の安全性ＰＲ

経済活動　（２０１４年９月８日掲載）

笑顔咲く「仮設商店」　沿岸部商業者、再開へ向け動き加速 雇用創出へ鍵握る「企業立地」促進　補助金制度が後押し 福島市企業誘致特命専門官・高山隆氏に聞く

津波災害　（２０１４年９月７日掲載）

海端に響く“槌音”　浜通り・沿岸部各地で復旧、復興進む 津波で流出の「海底がれき」めど立たず　漁業復活の課題 日大工学部・長林久夫教授に聞く　想定超えること前提に

地震災害　（２０１４年９月６日掲載）

進む復旧、復興…心も前へ　“震災の爪痕”忘れない教訓 新庁舎建設、須賀川は免震を強化　非常用発電など備える 須賀川一小・渡辺真二校長に聞く　仮設校舎環境改善必要

除染　（２０１４年９月５日掲載）

個人線量を重視へ　住民理解重要、国は納得できる説明を 国、突然の“方針転換”　個人被ばく線量に基づいた除染へ 「住宅完了率」まだ33.6％　７月末現在、14万5430戸が完了 環境省福島環境再生本部・小沢晴司副本部長に聞く

中間貯蔵施設　（２０１４年９月４日掲載）

届かぬ地権者の声　中間貯蔵候補地の大熊、双葉2000人 県民「県外に引受先あるのか」　最終処分場化に強い疑念 30年間で3010億円　地元へ交付金、復興対策にも活用へ 県産業廃棄物課・山田耕一郎課長に聞く　国に５条件確認

震災関連死・孤独死　（２０１４年９月３日掲載）

【震災関連死】整備必要な統一基準　本県、被災３県で突出 【孤独死】完全防止、対応に苦慮　「早期避難指示解除を」 新開文雄弁護士に聞く　関連死認定基準つくり独自対応を

仮設住宅　（２０１４年９月２日掲載）

入居者数２万人超“４度目の秋”　長引く避難、募るストレス 仮設「あちこちに傷み」　黒カビ、雨漏り…住宅事情が悪化 「友達いるから楽しい」　地域の“絆”を支えに避難生活 いわき明星大・高木竜輔准教授に聞く　“交流の場”が必要

移住　（２０１４年９月１日掲載）

「復興住宅」整備に遅れ　17年３月までの全戸建設不透明 “10年分の仕事”一気に　資材高等と人手不足、契約不調 望郷の思い胸に“新生活”スタートへ　飯舘の菅野さん一家 津波・地震被災者向けの「災害公営住宅」建設はほぼ順調 県土木部・山本洋一次長に聞く　土地取得見通し９割程度

●　特集一覧　（２０１４年８月１０日掲載）

東日本大震災、東京電力福島第１原発事故の発生から、８月１１日で３年５カ月となる。今年はお盆の特例宿泊が最長１カ月に延長された。避難先から久しぶりに自宅に戻った住民は、犠牲になった人や先祖に対する墓参など、それぞれの思いを抱きながら過ごしている。南相馬市では、特例宿泊を見守る女性２人の取り組みに密着した。

お盆“わが家で”　特例宿泊延長、女性パトロール隊に密着 防犯カメラが警戒　避難区域・10市町村、犯罪未然防止へ 「故郷近くで弔いたい」　墓地移転、大熊の住職が広野新設 飛散防止「あらゆる想定を」　廃炉作業、１号機カバー解体

●　特集一覧　（２０１４年７月１１日掲載）

原発に頼らない「再生可能エネルギー先駆けの地」を目指す上で鍵を握るとされる太陽光発電。広い県土を誇る本県の各地でメガソーラー（大規模太陽光発電所）の建設ラッシュが続く。しかし「２０４０年に再生可能エネルギーで１００％賄う」とする県の目標にはほど遠く、課題も多い。一方、東京電力福島第１原発で政府が汚染水対策の柱として３２０億円を投入して進める凍土遮水壁の建設は１カ月が経過したが、実験段階から暗雲が漂う。抜本的な対策を求める県民の懸念は拭い切れない。

「メガソーラー」建設加速　用地取得、経済波及効果に課題 会津電力社長・佐藤弥右衛門氏に聞く　「責任ある発電を」 【凍土遮水壁】　早くも実現性“疑う声”接続部凍結計画難航 「トラブルで歩み後退」　漁業再生へ試食など“地道な努力” 【復興公営住宅】　応募で“地域間格差”、バランスを考慮へ

●　特集一覧　（２０１４年６月１１日掲載）

東日本大震災から６月１１日で３年３カ月を迎えるが、東京電力福島第１原発事故の廃炉に向けた環境整備は遅れが目立つ。県が第１原発周辺の海水に含まれる放射性物質の独自検査を始めて１年が経過しても、汚染水トラブルや地下水バイパスなど漁業者らの不安は解消されていない。一方、川内村では清流を生かした村の観光振興など、地道に取り組んでいる。美しい水と安心を取り戻すため、県民の闘いは続く。

【新たな力】　安心取り戻す闘い続く、自然に見せられ決意 【海水検査】　県「異常な変化なし」　外洋での濃度上昇監視 【廃炉作業の状況】　破損把握“手探り”　集中環境、程遠く 【県民健康調査】　「検討委」新体制から１年…議論深まらず 星北斗検討委座長に聞く　「会の在り方を考える時期」

●　特集一覧　（２０１４年５月１１日掲載）

東京電力福島第１原発事故に伴う避難区域は、４月の田村市都路地区の避難指示解除により、新たな局面を迎えた。今後は長期宿泊が始まった川内村や今月下旬に帰町判断をする楢葉町の対応が注目される。一方、原発事故後４年目のコメ作りは県内各地で田植えの準備が進む。避難区域外でコメの本格的な作付けが始まった南相馬市では、東電の賠償金にも絡み、作付けする農家が増えないなどの課題も生じている。

コメ作付け“農家苦悩”　南相馬で本格再開、セシウム不安 「ため池」除染に“４手法”　秋にも実施、人的な負担増課題 【田村市都路地区】　「商業施設」客足伸びず、新たな課題も 【楢葉町】　帰町判断“慎重な姿勢”、県内外で懇談会開催 再編後の課題山積　放射線量への“住民の不安”根強く 川内、飯舘で年間１ミリシーベルト超　被ばく線量の推計値

●　特集一覧　（２０１４年４月１１日掲載）

東日本大震災から１カ月後の２０１１（平成２３）年４月にいわき市などを襲った震度６弱の余震から４月１１日で３年を迎えた。余震により発生した同市田人地区の土砂崩れは４人の尊い命を奪い、道路や水道などのインフラにも大きな爪痕を残した。インフラは回復したが、大切な人を亡くした人の心の傷は癒えないままだ。３・１１と東京電力福島第１原発事故の衝撃の大きさに隠れがちな「もう一つの震災」の今をみつめた。

【教訓を後世に】　出現した断層保存、いわきでイチョウ植樹 【湧き水が消えた集落】　いわき・遠野、他地区から水確保 【家族を亡くし】　高橋さん「納得できぬ」　募る苦しさ、悲しさ 【県道いわき石川線】　地滑り箇所、復旧も…再び通行止め 【余震状況】　震度１以上１万593回「活発な状態当分継続」 【温泉出続けるアパート】　「地盤沈下が怖い」心配する家主

●　特集一覧

東日本大震災から３月１１日で３年となる。人や街をのみ込んだ巨大津波や地震による被害だけでなく、東京電力福島第１原発事故にも見舞われた本県。津波、地震の被災地では復旧、復興に向けたつち音が響いているものの、原発事故によりいまだに１４万人近くが避難生活を送り、県民が復興を実感するにはなお長い歳月を要する。避難指示が全ての町村に出された双葉郡や飯舘村などの避難区域は原発事故の影響が大きく、今も古里から大勢の人が去り時が止まったまま。復旧すら手つかずの場所も多い。ただ、比較的低い放射線量の地域で鉄道の再開に向けた取り組みや災害がれきの処理が進み、復興への動きは徐々に生まれ始めている。避難区域の今の姿を追う。

県外から見た福島　（２０１４年３月１１日掲載）

【脚本家・倉本聰さん】　県民の深い痛み…共有しているか 【宮崎県・古田さん】　“心の距離”を縮める支援策が必要 【青森県・小野さん】　福島を忘れない、交流大事にしたい

福島から発信　（２０１４年３月１１日掲載）

【詩人・和合さん】　３年で熟成された思いを聞き、伝えたい 【ふくしま八重隊・渡部さん】　もっと地元の魅力、紹介したい 【わらじ実行委・小河さん】　“力いっぱい”担ぐことで元気を 【フラガール・オーリノさん】　踊りで“感動”や“力”届けたい 【保原高美術部】　復興忘れない！アートを通じた復興支援

社会基盤復旧　（２０１４年３月１１日掲載）

【常磐道】　全線開通まで１年余り、浜通りの復興加速化へ 【ＪＲ常磐線】　「全線復旧」めど立たず、復旧見通し区間も 【東北中央道・相馬福島道路】　５区間、着工10年以内完成 【ふくしま復興再生道路】　主要８路線、10年後開通へ整備 住民に元気「奇跡のアジサイ」　藤沼湖で60年超生き延びる

震災関連死　（２０１４年３月１１日掲載）

「関連死」本県突出　原発事故の避難影響、直接死上回る 「震災関連死」認定を求めて３遺族が訴訟　いわき、南相馬 「時計…止まったまま」　双葉病院の悲劇、原因究明を訴え

教育再生　（２０１４年３月１０日掲載）

希望育む「中高一貫校」　双葉郡の教育復興の柱、期待高く 武内双葉地区教育長会長に聞く　「“新たな双葉”創造して」 “双葉っ子”帰還促進　小・中学校、地元授業再開４校のみ 生徒減る「サテライト高校」　いわきなどの仮設校舎で授業 大学生“支援の輪”　復興へ現場体感、実体験を胸に刻む

帰還　（２０１４年３月１０日掲載）

希望、不安…揺れる心　楢葉町、４月以降「帰町時期」判断 飯舘の高橋さん、避難先で営農再開　故郷を思い作業に汗 広野町民、先に戻って「頑張る」　患者第一“赤ひげ先生” 【川内ルポ】　50歳未満３割「若者少ない」、多くの課題抱える 【特定避難勧奨地点の今は】　伊達、解除後戻ったのは２割

生活再建　（２０１４年３月１０日掲載）

新天地…住宅確保が壁　急がれる整備、複雑課題克服へ 「仮の町構想」どうなった？　分散型へ、インフラ整備が必要 住宅団地の利点「すぐ顔見知りに」　相馬・災害公営住宅 いまだ住めず…入札も不調　復興公営住宅、1190戸上乗せ 集団移転事業“一歩ずつ”　いわきは２事業、引き渡し進む

避難先との共生　（２０１４年３月１０日掲載）

距離感解消へ努力続く　避難長期化、増す“共生”の重要度 いわき市が“パートナー”　双葉郡の８町村、連携強化模索 「双葉郡と共存共栄」　いわき市長、生活再建側面から支援 【いわきの住宅事情】　物件不足が深刻化、購入の動き活発

復興行政の課題　（２０１４年３月１０日掲載）

【インタビュー・４年目の展望】　根本匠復興相に聞く 【インタビュー・４年目の展望】　佐藤雄平知事に聞く 国、県に“厳しい注文”　復興行政へ柔軟対応を望む自治体 真価問われる「復興庁」　課題は山積、縦割り克服道半ば 【福島復興再生特措法】　住民帰還促進へ実効的施策必要

新首長の挑戦　（２０１４年３月１０日掲載）

復興加速…新人に負託　新市町村長、独自色発揮へ奮闘 【清水いわき市長】　施策「目に見える形に」、政治理念貫く 【小林福島市長】　公約実現へ予算編成、福島市の活力を 【品川郡山市長】　就任から１年、市民ニーズ捉え施策反映

再生エネ、産業再生　（２０１４年３月９日掲載）

広がる「太陽光発電」　暮らしの転換期、県民意識が変わる 県が補助制度“普及促進”　重点施策・再生可能エネルギー 力強さを増す「企業」　新たな土地で決意、前を向いて歩む 「野菜栽培工場」稼働相次ぐ　最先端技術駆使し屋内栽培 「工場立地」高い水準、回復傾向に　２年連続で100件超え

健康　（２０１４年３月８日掲載）

“放射能から命”守る　健康管理調査・検診「風化させない」 学校給食に戻る「県産食材」　当初は保護者らの反発も 「子ども向け医療」充実へ　福医大、甲状腺がん解析・研究 介護問題“深刻化”　増える要介護認定者、スタッフ足りず 触れ合い支えに“感謝”　川内の三瓶さん「話し相手ほしい」 病院の「常勤医」緩やか回復　地域差や診療科の偏在課題

廃炉・汚染水問題　（２０１４年３月７日掲載）

福島第１原発、止まらぬ“トラブル”　人為ミス、改善されず 「地下水バイパス」実現めど立たず　漁業関係者の懸念強く 「多核種除去設備」汚染水処理の“切り札”　実現性評価へ 批判高まる「汚染水漏れ」　消えぬ懸念、東電対応常に後手 燃料取り出しへ一歩　移送進む４号機、プール残る1115体

中間貯蔵・除染　（２０１４年３月６日掲載）

進むか…「中間貯蔵」　県が主導、大熊・双葉両町に集約 30年保管後の法制化見えず　中間貯蔵、県は政府へ要望 大熊・地権者「郷土の文化遺産残して」　郷土と先人へ敬意 除染…目立つ遅れ　避難区域、「国直轄」完了は都路のみ 伊達市は「低線量地区」追加除染へ　市民の要望基に対策 「森林の対象範囲」国に拡大要請へ　住民ら“徹底除染を”

賠償　（２０１４年３月５日掲載）

東京電力の不誠実な対応に憤り　「新しい指針」期待と課題 原発事故の損害賠償総額３兆4593億円　さらに増加見込み 東京電力の姿勢、指針「上限」　支払い拒むケースも相次ぐ 原告団“強い覚悟”　団長の中島さん、全救済へ続く訴え 相次ぐ「裁判外紛争解決手続き」　和解は56％、5130件 調査官「苦労を推測」　被災者と向き合う、公正中立な立場 能見損害賠償紛争審査会長に聞く　就労不能は重要問題 浅井紛争解決センター所長に聞く　受け取れる人の力に

食の安全・安心　（２０１４年３月４日掲載）

“福島ブランド”再生、生産者ら思い熱く　懸命の努力続ける 「信頼性低いまま」45〜53％　県産米・全袋検査アンケート 世界に例ない徹底した「検査体制」　コメと牛肉、全品対象 “亡き父の牛”手放さず　佐藤さん、「畜産業」に新たな決意 「農地除染実施率」は８割超　表土剥ぎ取り、反転耕が主流 「試験操業」漁場拡大　魚種、検査、流通体制に厳しい条件 「シラウオ漁」14年３月から　いわき・相双沿岸、コウナゴも 佐々木県農業総合センター所長に聞く　正確な“情報発信”

避難長期化　（２０１４年３月３日掲載）

仮設では「限界」　いまだ２万8000人超が生活、変動少なめ 県は原則「全員帰還」を崩さず　移住者向け、政府が支援 「戻る」…母の決断　育児のため、自主避難者の“苦悩” 子ども支援法「恩恵ない」　準対象地域、住民の訴え届かず 相談窓口は14年度継続　山形と米沢両市に福島市が設置

防災対策　（２０１４年３月２日掲載）

“津波対策”地区全体で　いわきの住民が「災害図上訓練」 情報きめ細かく発信　本宮のコミュニティーＦＭ、正確さ追求 県の応援協定、締結件数は128件　各業界と協力を強化 津波避難ビル建設が始動　久之浜地区、「５分で移動」想定 全国初、災害がれきで海岸堤防　夏井地区、粘り強い構造

避難区域　（２０１４年３月１日掲載）

功罪あった“準備期間”　飯舘村長「村民守る対応取れた」 線引きが地域を分断　全避難区域、地点設定された南相馬 【避難区域の変遷】　原発事故直後、同心円状に範囲設定 【大熊町】　除染進め復興の拠点に、地域再編で町長期待 【田村・都路】　14年４月１日避難解除、旧警戒区域で初めて 無念…荒廃していく“古里”　猪狩さん、自宅への足も遠のく

●　特集一覧　（２０１４年２月１１日掲載）

東日本大震災と東京電力福島第１原発事故は２月１１日、発生から２年１１カ月となった。原発事故で自粛されたいわき沿岸の漁が３月、試験操業の形で３年ぶりに動きだす。一方、廃炉作業が続く第１原発は汚染水問題が解決できていない。政府、東電は対策の着実な実行に向け、組織を改編し体制を強化する意向だ。原発事故の影響が今も大きい避難区域では、地元事業者らが除染や住民の帰還への作業を続ける。復興の加速化への県民の思いはさらに強まっている。

試験操業「突破口に」　いわきの八百板さん「活気づけたい」 いわき市漁協・矢吹組合長に聞く　漁獲物の安全管理徹底 除染、インフラ復旧推進　12年結成の双葉郡復興事業協組 国と東電が体制強化、廃炉どう進む？　加速へ東電分社化 燃料移送、徹底作業でトラブル防げ　技術面などに“課題”

●　特集一覧　（２０１４年１月１１日掲載）

東日本大震災と東京電力福島第１原発事故は１月１１日、発生から２年１０カ月となった。政府は原発事故の復興指針で全員帰還の原則の転換や個人線量による被ばく管理の導入などを打ち出したほか、除染で生じる汚染廃棄物を保管する中間貯蔵施設の建設を県や関係４町に正式要請。間もなく３年を迎える中、岩手、宮城両県に比べ遅れが目立つ本県の復興の加速化に向け、現状を踏まえた支援にかじを切った。転換点を迎えた本県復興をいかに受け止めるか、県や被災市町村の取り組みが問われる。

【避難10市町村アンケート】　「全員帰還」転換、半数は理解く 年間積算被ばく線量「１ミリシーベルト以下」は堅持すべき 川内の保育現場“思い複雑”　線量低ければ低い方がいい 【汚染水】　海側の福島第１原発１〜２号機間・地下に集中 漏えいタンク周辺から「高い濃度」検出　海側へ拡散の恐れ 【中間貯蔵】　大熊、双葉、楢葉、富岡で住民説明が本格化

●　特集一覧　（２０１３年１２月１１日掲載）

東日本大震災、東京電力福島第１原発事故は１２月１１日、発生から２年９カ月となった。自民、公明の与党は本県復興の加速化に向けて第３次提言を１１月、政府に提出。政府は、原発事故避難者を全員帰還させるとした従来方針を転換した。中間貯蔵施設の整備も、建設候補地の国有化方針を固め、１４日に双葉、大熊、楢葉の候補３町に建設を要請する予定で、急展開の様相を見せている。避難者はこうした政府の動きを「現実路線」と受け止める一方で、地域の分断につながりかねないと不安視する声もあり、心情は大きく揺れ動いている。

「全員帰還」から転換　自公の復興３次提言、移住者手厚く 「帰りたくても帰れない」　移住決心、双葉から避難の男性 「生まれ故郷に帰りたい」　天野さん、帰還信じキクを栽培 「請戸漁港」復旧始まる　震災後初、公共施設の復旧工事 中間貯蔵施設整備…大きなヤマ場　国と町側に“温度差”

●　特集一覧　（２０１３年１２月３日、４日掲載）

東日本大震災、東京電力福島第１原発事故は１２月４日、発生から１０００日目を迎える。巨大津波にのみこまれた本県の沿岸部では、今なお津波の記憶が被災者の心に傷として残る中で、津波を受けても生き残った一本松を「住民が生きた証し」として保存する活動が生まれた。浜通り北部では、生活再建に向けて災害公営住宅で新しい生活を始めている。住民が着実に復興への一歩を踏み出す一方で、県内外に避難する１４万人弱の県民への支援や、来春完了の目標を断念した災害がれきの処理など国、県などの復興の取り組みは歩みが遅く、県民の復興への実感は薄い。

住民が生きた「証し」　“希望の象徴”南相馬・鹿島の一本松 それぞれの“決断”　住職の猪狩さん、「供養絶やさぬ」使命 私たちの最後の家　岩崎さん夫妻、災害公営住宅で再出発 【避難者の推移】　県内外とも減少傾向、進まぬ除染“課題” 【災害がれき処理】　避難区域・11市町村の工程見直し発表 根本匠復興相に聞く　避難解除後も支援継続、復興実現へ 廃炉工程…新段階に　福島第１原発、燃料取り出しに着手 【避難区域再編】　指示解除でも動き、鍵握る社会基盤整備 【避難解除後の賠償】　紛争審、期間「原則１年間」で合意

●　特集一覧　（２０１３年１１月１０日掲載）

東日本大震災と東京電力福島第１原発事故は１１月１１日、発生から２年８カ月となる。常磐道の復旧、本県沖の試験操業の拡大など、浜通りをはじめ本県の復興への歩みは少しずつ前に進む。全村避難の厳しい状況の中で、飯舘村は周辺市町の汚染廃棄物も受け入れる仮設焼却炉建設を決断し、村民の復興への意志の強さを示した。ただ、同原発から放出された放射性物質や汚染水などの問題はなお消えず、復興の足かせとなっている。

【常磐道】　“高い壁”それでも前へ　長期中断、被害を拡大 除染後も「高線量」が残る　震災前の資材が上昇の要因に 【海洋流出】　本県沖は低下傾向　魚介類基準値超は0.6％ 【放射性廃棄物】　“復興加速化”へ「仮設焼却炉」受け入れ 菅野典雄飯舘村長に聞く　生きていた飯舘の「までい」精神

●　特集一覧　（２０１３年１０月１１日掲載）

東日本大震災と東京電力福島第１原発事故は１０月１１日、発生から２年７カ月となった。第１原発は安倍晋三首相が５、６号機の廃炉を東電に要請し、同原発全基廃炉の道筋が固まった一方、事故を起こした１〜４号機の汚染水問題は人為的ミスによる漏えいなどが相次ぎ、廃炉作業の困難さを際立たせた。塙町の木質バイオマス発電施設の建設は町民の放射線への不安を拭えず、町が計画中止を表明。原発事故の影響で加工を自粛してきたあんぽ柿は限定的ながら生産が再開されることになるなど、復興への歩みも着実に踏み出している。

復興へ踏み出す「農家」　あんぽ柿、３年ぶり“生産再開” あんぽ柿、加工再開「モデル地区」・対象は３市町の860戸 町民の不安拭いきれず　「木質バイオマス発電」計画中止 【廃炉費用】　電気事業・会計規則変更、積立期間を延長 【県会全員協】　論戦に物足りなさ、“不満の声”漏れる 【住宅再建賠償】　新たな上積み案提示、より詳細な議論へ Ｑ：ベクレル単位の意味は　Ａ：放射線を出す物質の数

●　特集一覧

東日本大震災と東京電力福島第１原発事故から、間もなく２年６カ月を迎える。政権は民主党から自民党・公明党へと移り「復興を加速」の掛け声は引き続き声高に叫ばれているが、原子力災害の被災地を中心にいまだ約１５万人が県内外に避難を続け、先の見えない生活への不安が被災者に重くのしかかる。放射線への不安は除染の遅れも加わって一向にぬぐわれず、長期の避難生活や、賠償をめぐる地域社会の分断がストレスとなって県民の健康をむしばんでいく。被災地ふくしまは今、どんな壁にぶち当たっているのかをシリーズで追う。

県外避難者　（２０１３年９月１１日掲載）

放射線量「今も不安」　新潟へ自主避難・伊藤さん 娘の受験控え「動かぬ」決心　埼玉・加須の西内さん 【変わる支援の形】　「交流」から「生活再建」へ 【子ども・被災者支援法】　指定範囲に不満相次ぐ 【避難先】　山形7465人、東京7241人と突出

帰還　（２０１３年９月１１日掲載）

【田村・都路】　「故郷への道」険しく、11月・区域解除目指す 【川内】　昨年１月に「帰村宣言」、徐々に戻る村民 【南相馬・小高】　目標の時期は定めず 【伊達】　旧特定避難勧奨地点、帰還は18世帯止まり 【避難区域再編】　事業再開に税制優遇

社会基盤整備　（２０１３年９月１１日掲載）

早期整備で加速を　道路や海岸堤防などの社会基盤 「浜と中」戦略的に結ぶ　ふくしま復興再生道路 2014年春、再開に期待　常磐線・広野−竜田間 駅前開発、人住み着く町に　帰還の広野町 「順調に進行」「調査終わらず」　上下水道復旧状況

移住　（２０１３年９月１１日掲載）

計画3700戸、着工はゼロ　原発避難者向け復興住宅 10市町で2590戸整備へ　地震・津波被災者向け災害住宅 「家族一緒」願っていた　いわきの集団移転 快適な暮らしに安心感　相馬の災害住宅に入居女性ら

甲状腺検査　（２０１３年９月１０日掲載）

「甲状腺検査」体制整備ようやく　がん、がん疑い診断44人 第三者の視点で検証　10月にも「甲状腺検査評価部会」 「Ｂ」「Ｃ」判定は２次検査へ　影響を長期的に見守る 林隆一副院長に聞く　国立がん研究センター東病院 星北斗座長に聞く　県民健康管理調査検討委員会

農業再生　（２０１３年９月８日掲載）

放射線量、塩害“消えぬ課題”　有害鳥獣、農地荒廃に拍車 「土壌環境」回復不可避　農地除染進まず、仮置き場確保を 「イノシシ対策」悩みの種　実費で金属柵追加、警戒強める ４市町、除塩着手は“まだ58％”　避難区域など今後本格化

教育再興　（２０１３年９月７日掲載）

“郷里で学ぶ”意味は　教育再興へ一歩前進「中高一貫校」 各町村の“思惑”絡まる　広野、楢葉、川内の開設３候補地 中学生進路指導、情報不足で頭痛める　生徒本位の支援を 課題は“中高同時開校”　「準備期間短い」…県教委は難色 武内敏英氏に聞く　双葉地区教育長会長、大熊町教育長

風評　（２０１３年９月６日掲載）

厳しい“ブランド回復”　風評被害払拭への長い道のり続く 二瓶社長「被害、悪化している」　諦めず、地道に安全訴え 支援イベント効果“一過性にするな”　継続性で風評払拭へ 小松知未氏に聞く　福大うつくしまふくしま未来支援センター

原発避難と介護　（２０１３年９月５日掲載）

高齢者の負担「切実」　“生活激変”たまる心理的なストレス 「国は最後まで責任を」　富岡から郡山の仮設に避難女性 望みは「家に帰りたい」　遠藤さん、施設行事楽しむ一方…

原発事故の賠償　（２０１３年９月４日掲載）

相次ぐ賠償の請求開始遅れ　田畑や山林は先送り 「戻れぬ前提の議論を」　大熊の永井さん 「生活再建には不十分」　南相馬の熊井さん ９月10日から議論本格化　賠償指針見直へ、紛争審査会 避難区域外は増額厳しく　紛争解決手続きでの和解

除染　（２０１３年９月３日掲載）

重点調査地域の除染、徐々に前進　実施計画９割策定 「国直轄除染」遅れ目立つ　県土の環境回復へ鍵握る 「いつ始まるのか」　南相馬・小高区で遅れる除染作業 都市部住宅の除染加速化が課題　手付かずの地域多く 「仮置き場」設置進まず　用地確保、住民同意が難航 森林の再除染、環境省が容認　宅地から５メートル範囲

中間貯蔵施設　（２０１３年９月２日掲載）

中間貯蔵施設設置、なぜ進まない　政府の説明不足を指摘 住民「放射性物質拡散の防止を」　ルート候補、環境省示す 具体性に欠ける“青写真”　調査や説明会、理解得られるか

福島原発は今　（２０１３年９月１日掲載）

福島第１原発・廃炉阻む“高放射線”　工程見通し立たず 汚染水問題“最大の壁”　廃炉作業の前に立ちはだかる 溶けた「核燃料」どこへ　金属などと一緒に再び固化 建屋からの湯気、窒素ガスが変化　福島第１原発３号機 原発構内で働く作業員、人員確保と健康管理課題

（　福島民友新聞・ニュース面掲載　）

書籍「記者たちは海に向かった」 本紙・震災報道の舞台裏を記録