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放射線量、塩害“消えぬ課題” 有害鳥獣、農地荒廃に拍車

放射線量、塩害“消えぬ課題” 有害鳥獣、農地荒廃に拍車

 東日本大震災の発生、東京電力福島第1原発の事故は、本県農業に大きな打撃を与えた。農業を再開するため、原発事故による避難区域などの一部では今年、懸命の除染に続いて水稲の作付けが始まったが、放射能との闘いとは別に、人が減った里でイノシシなどが増え、田畑を荒らす新たな課題が浮かび上がってきた。津波被災地では、塩害も依然として大きな傷痕を残している。農業再生に向けた道のりは、まだ厳しく長い。

 環境保全、回復が喫緊の課題 
 東京電力福島第1原発事故の避難区域では、2年以上にわたり放置された農地の荒廃が目立つ。避難先から帰還して作付け再開を目指す生産者が営農意欲を保つためにも農地の環境保全、回復は喫緊の課題だ。特にイノシシなど有害鳥獣が山間部から里山、さらに居住地近くにまで出没するようになっている。避難が長期化すればするほど、農地の荒廃に拍車を掛けるとして地元生産者の懸念が強まっている。
 国と県による営農再開支援事業は、生産者の避難で農産物の作付けが中断されるのを余儀なくされた避難区域などについて、約4年後の2017(平成29)年度末までに農地面積の6割で営農再開を図ることを目標に掲げ、3段階に分けて施策を進めていく総合的な政策を打ち出した。3段階の施策は【図】の通り。イノシシなど有害鳥獣による被害防止に向けた緊急対策は第1段階の施策に盛り込まれた。原発事故後、これまで行われてきた捕獲や狩猟が中断、イノシシなどは個体数が増加したとみられるからだ。
 イノシシが農地に現れると、作付けした農作物に対する食害をはじめ、田んぼや畑、あぜ道などの農業用設備が荒らされる恐れがあり、生産活動を軌道に乗せるための障害となりかねない。具体的な被害防止策として、一斉捕獲活動の展開や大規模な侵入防止柵の設置が必要であり、積み立てた基金から市町村を財政支援する。今年、本格的にコメの作付けを再開した田村市都路地区、広野町、川内村などでは同事業を活用してイノシシ対策に乗り出している。ただ、市町村がイノシシなどの一斉捕獲活動に踏み切るためには、鳥獣捕獲の技術を持った担い手の確保が課題となるが、高齢化や原発事故による住民の避難から担い手不足が現実化している。大規模な侵入防止柵を取り付けても、イノシシの農地への侵入や被害を完全に食い止めることができるかは未知数だ。
(2013年9月8日 福島民友ニュース)



 

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