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【避難10市町村アンケート】 「全員帰還」転換、半数は理解

【避難10市町村アンケート】 「全員帰還」転換、半数は理解

 政府の「全員帰還」の原則から帰還、移住の両面支援にシフトする方針転換について、避難10市町村のうち半数の5町村が本紙アンケートに対し受け入れる考えを示した。放射線への健康不安などを背景に住民間で判断が分かれていることが要因で、避難の長期化を踏まえ、個々の住民の判断を尊重する形で現実路線を取る姿勢がうかがえる。
 方針転換を受け入れるとしたのは川俣、川内、大熊、双葉、飯舘の5町村。このうち大熊、双葉は長期間帰還できない帰還困難区域を抱え、6割を超える町民が帰還しない選択をしている。両町は帰還や放射線への住民の考え方の違いを受け入れ理由に挙げた。
 町の多くが帰還困難区域で、既に現実的な対応を表明する大熊町の渡辺利綱町長は「帰還困難区域の有効な除染技術が確立されていない。いつ帰還できるか明言できず、やむを得ない」とした。

 富岡、川内、浪江 「政府は方針貫け」
 双葉町の伊沢史朗町長も「町の放射線量を考えると、帰還の見通しが立たない」とし、町民の生活再建策、特に復興公営住宅を中心にした町外拠点整備を重視する方針を示した。
 残る5市町村は受け入れ判断に明言を避けた。全町帰還を掲げる浪江町の馬場有町長は「(町民の)移住の自由を尊重する」としながらも「町の分断が懸念される」と、帰還意向の住民が2割弱にとどまる中で苦悩が浮かぶ。
 葛尾村の松本允秀村長は「原子力災害は(全員帰還、帰還・移住両面支援の)どちらを取っても難しい問題」とした。
 旧警戒区域の全てが避難指示解除準備区域になった楢葉町は「帰れる町」としての施策を推進しており、松本幸英町長は「帰町に向けた取り組みを進める」としている。
 一方、政府が全員帰還の方針を堅持すべきかを聞いた質問で、堅持を求めたのは富岡、川内、浪江の3町村。富岡町の宮本皓一町長は帰還判断を個人の選択とした上で「自治体は、事故前の状況をできる限り回復し、全員帰還ができるよう条件などを整えるべきだ」と避難市町村が果たす責務を強調。「村は全員帰還の可能性が残されている」とした川内村の遠藤雄幸村長は「帰還するための判断材料を整備し、示していくべきだ」として帰還策を継続する考えを示した。

 政府が復興指針
 政府が昨年末に決定した東京電力福島第1原発事故の復興指針では、早期帰還と移住先での新生活の両面で避難者支援策を打ち出した。避難者の「全員帰還」を掲げた従来の方針を転換させた。
 また、帰還住民の健康対策として、実際に一人一人の被ばく線量を把握し、測定値に応じて被ばく低減や健康管理を図る対策を重視する方向性なども打ち出した。

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 福島民友新聞社は、避難区域がある県内11市町村の首長を対象に、政府が示した東京電力福島第1原発事故の復興指針に関連し、全員帰還の方針転換などについてアンケート調査を実施した。田村、川俣、楢葉、富岡、川内、大熊、双葉、浪江、葛尾、飯舘の10市町村から回答を得た。川俣町の回答者は副町長。南相馬市は現在、市長選が行われており回答を辞退した。
(2014年1月11日 福島民友ニュース)



 

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