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無念…荒廃していく“古里” 猪狩さん、自宅への足も遠のく

無念…荒廃していく“古里” 猪狩さん、自宅への足も遠のく

町民が愛した夜の森の桜並木。帰還困難、居住制限の二つの区域となり、桜を楽しんだ並木道はバリケードで分断された=26日、富岡町

 帰還困難区域に再編された富岡町から郡山市の仮設住宅に避難する農業猪狩重信さん(89)は「荒廃していく古里を見ると帰ることができないと言われているようで」と避難からほぼ3年の月日が流れ、ほとんど自宅に様子を見に行かなくなった。
 同区域は除染やインフラ整備の見通しが見えず、日増しに「帰れない」という思いが強くなる。無念の気持ちを抱えながらの日々。猪狩さんは町のシンボル「夜の森の桜」が描かれたポストカードや自宅の写真を見て、川柳や歌を詠み、古里へ思いをはせる。「桜の時期は人が大勢訪れた。あの熱気は見事だった」
 町の桜の名所として知られる夜の森地区は帰還困難と居住制限の2区域にまたがる。区域の境にバリケードが設置され、許可がないと自由に行き来できない。原発事故の現実がのしかかる。
 長期に及ぶ避難、変わってしまった古里の姿。猪狩さんはもう古里の桜を見に行く気持ちにはなれない。「桜は気持ちで見るもの。自分の気持ちが満足していないと満足して見ることができない。帰れないと思うと悲しい気持ちになる」。今年は記憶の中の夜の森の桜を重ねながら、避難先の郡山の桜を見るつもりだ。
(2014年3月1日 福島民友ニュース)



 

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