minyu-net

ホーム 県内ニュース スポーツ 連載 社説 イベント 観光 グルメ 健康・医療 購読申込  
 | 福島民友ニューストピックス写真ニュース震災・原発関連県内選挙おでかけ四季の花だよりおくやみ情報ニュースカレンダー
 
大熊・地権者「郷土の文化遺産残して」 郷土と先人へ敬意

大熊・地権者「郷土の文化遺産残して」 郷土と先人へ敬意

 須賀川市に避難している大熊町の鎌田清衛さん(71)の自宅は同町小入野にある。国が示す施設整備に向けた国有化候補地のエリア内だ。「どこかには造らなければならないが、造ってほしくはない。やむを得ないという気持ちもあるが、簡単には受け入れたくはない」と複雑な心境をのぞかせる。
 鎌田さんは町の文化財保護審議委員などを務めている。今年1月、古里の日隠山や小入野区にある海渡神社について記した著書「日隠山に陽は沈む」を出版した。日隠山と同神社のロマンや、歴史的な遺産として神社の保存、保護を強く説いている。「もし中間貯蔵施設が建設されるようなことがあっても、海渡神社は小入野区民の聖地として残さなければならない」
 しかし、そう願う住民の気持ちは国には届いていない。鎌田さんは「施設の話は地域住民に何も伝わっていない。頭の上を電波が行き来しているような感じだ」とやゆする。「海渡神社を残さないならば建設を許さない。(残さなければ)先祖に申し訳ない」。郷土と先人への敬意が鎌田さんをそう誓わせた。

 「地域分断生まれぬ」 候補除外、楢葉の男性
 楢葉町波倉地区では昨夏、環境省が中間貯蔵施設の候補地としてボーリング調査などを行った。しかし、町は今年1月、同町への施設設置の再検討を佐藤雄平知事に求め、佐藤知事も2月に建設候補地から同町を外すことを国に要請した。
 同地区の農業男性(58)は将来が見通せない状況に「町民に対する説明会の日程も示されていない。国が方針を示さなければ何も前に進まない」と厳しい口調で語る。
 中間貯蔵施設をめぐっては、常に「国主導」で議論が進み、町民に対する説明は後手に回っていると感じている。「国と県などとの話し合いが見えてこないと、町としても対応に苦慮してしまうのでは」と察する。
 楢葉町を候補地から外すことで、佐藤知事は双葉、大熊両町への施設集約を求めている。男性は「震災後、双葉郡が共通の問題として取り組んでいる事案。互いに避難生活の苦しさを知っていて、楢葉町の立場も両町の町民は理解してくれると思う」と、施設をめぐり郡内の地域分断は生まれないと考えている。
(2014年3月6日 福島民友ニュース)



 

福島民友新聞 購読ご案内

ご購読のお申込

会社案内
会社概要|▶支社・支局のご案内|▶窓の投稿
広告局のページ|▶福島民友愛の事業団
社内見学|▶移動編集局|▶民友メールアドレス
福島民友NEWSmart



  minyu-netメニュー | ホーム | 県内ニュース | スポーツ | 連載 | 社説 | イベント | 観光 | グルメ | 健康・医療 | 購読申込 |

福島民友新聞社
〒960-8648 福島県福島市柳町4の29

個人情報の取り扱いについてリンクの設定について著作権について

国内外のニュースは共同通信社の配信を受けています。

このサイトに記載された記事及び画像の無断転載を禁じます。copyright(c) THE FUKUSHIMA MINYU SHIMBUN