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「子ども向け医療」充実へ 福医大、甲状腺がん解析・研究

「子ども向け医療」充実へ 福医大、甲状腺がん解析・研究

 18歳以下の子どもで見つかった甲状腺がんの原因を解明しようと、福島医大が手術で切除したがん組織の遺伝子を解析する研究を行っている。県民健康管理調査で保護者の関心が高いため、同大は「発がんの仕組みを解明したい」としている。
 同大によると、これまで成人の研究を行い、一定の成果を挙げていて、子どもまで研究範囲を拡大する。甲状腺がんのうち、小児は特定の遺伝子が再配列異常を起こすことで発症することが分かっている。同大は再配列異常以外の新たな原因や、がんになりやすい人、なりにくい人がいるのかなども遺伝子解析で調べ、メカニズムの解明を目指す。放射線の影響について、同大は研究範囲の一部として慎重に検討していく方針。
 甲状腺がんの遺伝子解析を始めた福島医大医学部甲状腺内分泌学講座の鈴木真一主任教授=写真=に取り組みを聞いた。

 ―県民は甲状腺がんの原因解明に強い関心を持っている。
 「甲状腺の専門として、子どもを見守るというだけでなく、治療、手術していく中で発がんの仕組みを解明することも大学の使命」

 ―遺伝子解析で大切なことは。
 「今できることは遺伝子の変化を見て、甲状腺がんがどのような原因で起こっているのかを詳しく調べることが大切。これまでに解明されていない部分も研究していきたい」

 ―放射線の影響はあるのか。
 「現時点で子どもたちに放射線の影響とみられるがんは見つかっていない。放射線の影響があるかどうかは遺伝子解析でも簡単に分かることではないため、慎重に検討していく」

 
 世界初の「乳幼児用検査装置」
 ひらた中央病院(平田村)に世界初となる乳幼児専用の内部被ばく検査装置「BABYSCAN(ベビースキャン)」が導入されてから3カ月が経過した。2月末現在で551人が検査を受け、放射性物質は全て不検出だった。受検者は1日平均で10人近くに上り、県内488人、県外63人。
 「考えるより行動に移すべきだという思いがあった」。検査装置を導入した院内にある震災復興支援放射能対策研究所の佐川文彦理事長(誠励会理事長)は振り返る。同病院は震災から半年で内部被ばく検査を開始。「県民に寄り添っていきたい」との信念から、子どもを持つ親の思いに応えるため、昨年12月に乳幼児専用の検査装置を導入した。原発事故は県民に責任がないとの思いがある。「早期に検査して安心させてあげるのが医療機関の務め」と強調する。
 「気軽に検査できるのが大切」。同院では、内部被ばく検査のほか、甲状腺検査も無料だ。月約1000万円かかる運転資金は、病院の収入や趣旨に賛同した寄付金で賄っている。国や県に支援を要請しているが、実現はしていない。「今後は官民一体の検査態勢確立が不可欠」と国や県に注文を付ける。
(2014年3月8日 福島民友ニュース)



 

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