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希望育む「中高一貫校」 双葉郡の教育復興の柱、期待高く

希望育む「中高一貫校」 双葉郡の教育復興の柱、期待高く

中高一貫の県立高を15年度に開校する計画の広野中

 東京電力福島第1原発事故に伴い、相双地区の県立高8校は、避難先で授業を受けることができるサテライト方式で学校を継続、3年生は一度も本校舎で授業を受けることなく、卒業を迎えた。生徒数は減少し、多くの小、中学校でも同様の傾向で、十分な教育環境を提供できていない。その中で双葉郡の教育復興の柱に位置付けられ、広野町に2015(平成27)年度に開校する中高一貫校は、県内外に避難する子どもたちの帰還の呼び水としての期待が高い。教育再生への取り組みは続く。

 広野中改装、15年度開校
 中高一貫校は避難先のサテライト校で授業を続ける同郡の県立高5校を集約、地域復興を担う人材育成の役割を担う。
 県教委は15年度までに県立高を新設、当初は郡内で再開した既存の中学校と連携する「連携型」の中高一貫校の開校を目指す。大学進学や国際的人材の育成を目指す「進学教養」、トップアスリートを育てる「スポーツ」、職業人として専門的な知識を学ぶ「専門教養」の3系統を持つ総合学科型の学校を想定している。
 現在の広野中を改装して本校舎に利用。19年度をめどに同校に近接した土地を取得し、サッカーグラウンドなどを備えた本校舎を建設する計画だ。同郡の中学校とは教育や入試面などで連携し、将来的には中学校も新設した「併設型」の中高一貫校を目指す。
 県教委は新年度以降、現地事務所開設や担当職員の増員で開校準備を本格化させ、今夏までに学校像を示す方針。県内大学との連携や最新の情報通信技術(ICT)を生かした教育環境の整備も検討している。中高一貫校開校を支援する文部科学省は財政面の支援に加え、国際人材育成のモデル校である「スーパーグローバルハイスクール」指定なども視野に入れる。中高一貫校は教育面だけでなく住民帰還にもつながる拠点となるため、今後どこまで魅力ある学校にできるかどうかが課題だ。

 「併設型」と「連携型」で食い違い
 中高一貫校は双葉郡の地元教育長らがまとめた教育復興構想を端緒に検討が本格化した。住民帰還が進まず、原発事故の避難によって十分な教育環境も提供できていない郡内の新しい「希望」となることが期待された。
 教育長らが掲げるのは地域に根差しながら、復興を担える多様な人材を輩出できる、これまでにない新しい学校像。このため当初から中学校と高校を新設する「併設型」を主張し、郡内の既存中学校と新設の高校が連携する「連携型」を主張した県教委との間で意見の食い違いもあった。開校を目指す15年度までは時間がないため、連携型での開校は合意したが、県教委は現在も併設型への移行時期は明確にしていない。
 県内の公立学校で唯一の「併設型」中高一貫校の会津学鳳中・高は高校への進学を前提にしているが、サテライト校の受け皿にもなる同郡の中高一貫校の高校と中学校をどのような形で連携させるのかの答えは出ていない。
(2014年3月10日 福島民友ニュース)



 

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