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【川内ルポ】50歳未満3割「若者少ない」、多くの課題抱える

【川内ルポ】50歳未満3割「若者少ない」、多くの課題抱える

昨年作付けを再開した水田は、まだ厚い雪に覆われている=4日、川内村

 広野町から車で北上、さらに県道36号(小野富岡線)で川内村に入った。峠を進むと大雪の名残か、除雪でできた雪だまりが道路脇に残り、海沿いとは景色が一変する。村は原発事故の避難区域を抱える被災自治体であると同時に、少子高齢化が進む中山間地域でもある。震災から3年を迎えた川内村の今を取材した。(ふたば支局・白坂俊和)
 村は2012(平成24)年1月に全村避難からの帰村を宣言、住民帰還の取り組みを進める。しかし、昨年10月1日現在の完全帰還者は535人、週4日以上滞在する村民を含めても帰還者は1455人にとどまり、震災前の3038人には遠く及ばない。
 基幹産業の農業は昨年、コメの作付けを再開したが、村内に広がる水田は厚い雪に覆われ、春はまだ遠い。村内は復旧作業のトラックが行き交い、のどかな山村はどこか落ち着きがないようにも見える。県道沿いの村中心部。いまだシャッターを締め切った店も多い。帰村宣言後、村に戻ったという井出孝志さん(72)は「一時期に比べれば戻った人は増えた。でも若い人は少ない」と話す。
 村によると、帰村の中心は50代以上。50歳未満の帰村率は3割程度という。震災前の生活圏だった富岡町や大熊町が避難区域となり、いわき市や郡山市など都市圏は車で1時間以上かかる。「学校や病院、買い物。生活が便利な避難先から簡単には戻れないだろう」。井出さんは若い人が戻らない理由をそう話した。
 3月に入り双葉農業普及所の川内普及所、村内初となる葬儀場の開所とこれまでにないニュースが続く。村も、新年度以降、完全帰還者に10万円分の地域振興券を贈るなど帰還促進に向けた施策を続々打ち出した。
 多くの課題を抱えながら復興を歩む川内村。しかし、村内の避難区域は解除時期も決まっておらず、本当の「春」を迎えるまでにはまだまだ時間が必要だと感じた。

 高齢化の危機
 全国で記録的な大雪に見舞われた2月、川内村も60センチを超える積雪となり、村は除雪に追われた。男手や若者のいる世帯は自力で雪をかいたが、雪かきできない高齢者の中には数日間外出できなかったり、村役場に助けを求めたりする村民もいた。「若い人が戻っていないという問題は村の課題すべてに通じる」と遠藤雄幸村長は漏らす。
 震災前は雪が積もると、隣近所や若い同居の家族が雪かきをしていた。2月の大雪では役場職員が高齢者宅などの雪をかいた。「以前より行政依存度が高まっている」
 村は行政区ごとに除雪車を配置し、区長や役員が中心となり高齢者や独居世帯の雪かきをしてもらうなど、地域で支え合う仕組みづくりを検討中だ。
(2014年3月10日 福島民友ニュース)



 

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